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小学校算数 よくある質問

  • Q.

    教科書では、4を「し」、7を「しち」としていて、「よん」、「なな」をかっこ書きにしているのはなぜですか。

    A.

    数の唱え方には、漢語系列と和語系列があります。4や7を「し」「しち」と唱えるのは漢語系列で、「よん」「なな」と唱えるのは和語系列です。「いち」「に」などが漢語系列であることから、本教科書では漢語系列を基本にしています。

    ところが、漢語系列の「し」や「しち」は音が似ていて聞き違いをおこしやすいので、和語系列の「よん」「なな」のほうがよいということもあります。また、大きな数になると表現のしやすさということから、漢語系列と和語系列の両方を取り混ぜて用いるのが一般的です。

    算数の学習の入門期では、まず漢語系列の唱え方を学習し、徐々に和語系列の唱え方もご指導いただければと思います。

  • Q.

    教科書ではブロックを縦に並べているページと横に並べているページがありますが、どのような意図があるのでしょうか。

    A.

    1年生で最初に加減を学ぶときは、「合わせる」「増える」「減る」「数の違い」の意味を理解するところから始まります。これらについて、児童は、ブロックを並べて動かす「操作」を通して理解していきます。この操作をやりやすくするために、計算単元では横向きにブロックを並べています。

    一方、10以上の数を学習する時間では、位を意識させることが重要です。縦にブロックを並べると、位を捉えやすくなるため、数の単元では縦向きにブロックを並べています。

  • Q.

    1年p.52などのひき算の場面では、減っていくものを右側に置いて、手で取り去っているのに対し、p.55では左側に取っているのはなぜですか。

    A.

    p.52などでは、ひき算の式(5-2の「ひく2」など)と取り去るものの位置が一致するように、取り去るものを右側に置いています。紙面が横書きであり、左から右へ読んでいくことからも、右側に取り去るものが配置されているほうが自然と考えられます。

    一方、p.55の問題は「求補」と呼ばれるタイプの問題であり、取り去る動きよりも、全体と部分の関係を捉えることが重要となります。また、問題文を図に表す際にも、ひく数に相当する「はずれ」を左からかいていくほうが自然といえます。

    また、右に取るか、左に取るかということではなく、「全体から一部分を取る」場面がひき算であると理解させることも重要であるため、p.55では左側に取るものを配置しています。さらに、p.58の求差の場面では、必然的に左側に取り去る形になるため、その布石となるようにしているという意図もあります。

  • Q.

    減々法より、減加法を先にかつメインで扱っているのはなぜですか。

    A.

    13-9を例にすると、減加法は、次の手順となります。

    ①被減数の13を10と3に分解する。②10から減数の9をひく。③②の結果1と①の3をたす。

    この方法は、被減数の10から減数をひいて、その結果の数と被減数の一の位の数をたせばよく、計算の手順を固定しやすいので効果的です。また、12単元にあるくり上がりのある加法で、「まず10をつくる」学習をしてきたので、これに対しての減加法「まず10からひく」方法が、加法の逆で考えればよいという意味からも理解しやすいと考えます。さらに、この後に学習するひき算の筆算で減加法の考えを用いることにも関係しています。

    一方、減々法は、次の手順となります。

    ①被減数の一の位の数をみて、減数の9を3と6に分解する。②被減数の13から3をひいて10とする。③10から6をひいて4とする。

    この方法は、ひき算をするのに、次々にひくという操作を行うので計算方法がとらえやすいといえます。しかし、減数を被減数の一の位にあわせて分解しなくてはいけないので煩わしいという問題点があります。

    よって上記の理由により、本教科書では減加法をメインに扱っています。

  • Q.

    平成27年版の教科書では、たし算の筆算で繰り上がりの1を横棒の下に書いていましたが、たされる数の上に書くようになった理由は何ですか。

    A.

    繰り上がりの1をどこに書くかということについて、明確なルールがあるわけではありません。平成27年版の教科書では、かけ算の筆算において繰り上がりを横棒の下に書くのが一般的であることから、それと統一するほうが混乱しにくいと考え、繰り上がりを横棒の下に書いていました。

    一方、2年生の児童にとっては、繰り上がりの1を横棒の下に小さく書くことは必ずしも容易ではないという実態もあります。そこで令和2年版の教科書では、繰り上がりをたされる数の上に書く方法をメインに扱い、横棒の下に書く方法は、キャラクターの吹き出しで補足することとしました(2年p.28)。

  • Q.

    平成27年版の教科書では、長さの加減などで、式に単位をつけていなかったものが、令和2年版ではつけるように変更されたのはなぜですか。

    A.

    平成27年版の教科書では、式は、具体的な数量の要素や性質などを捨象し、数量の関係をより一般的に表現させることが重要であるとの考えから、単位をつけずに表記していました。

    一方、2cm3mmと5cm1mmを合わせた長さを求める場面のように、複数の単位が混在するような場合には、単位をつけたほうが式に表現しやすいということもあります。そこで、令和2年版の教科書では、複数の単位が出ることの多い測定領域の単元では単位をつけた式を表記し、それ以外の単元では、単位をつけない一般的な表現の式としました。ただし、どちらの式が正しい、間違いであるということはありません。

  • Q.

    2年p.180などのテープ図では全体量が下にかかれているのに対し、p.185では全体量が上にかかれているのはなぜですか。

    A.

    全体量と部分量を上と下のどちらにかくかということについて、明確なルールがあるわけではありません。

    2年生の単元14では、どの演算になるかが分かりにくい文章問題について、テープ図を使って数量の関係を把握することが主たる目的となります。そこで、問題文に出てきた数量から順に、左上から数量をかくこととしました。児童が試行錯誤して図をつくっていくことを想定したものです。

    ただし、数量の関係が正しく反映されていれば、教科書と異なるかき方になっていても、問題はありません。

  • Q.

    お昼の12時40分は午後12時40分と表してもいいのですか。

    A.

    正午は午前12時または午後0時となりますが、正午を1秒でも過ぎると12時制では午前と午後が切り替わります。よって、お昼の12時40分は午後0時40分と表すのが正しいといえます。しかし、デジタル表記では慣例的に12:40PMのように表し、それを午後12時40分と言うこともあるようです。日常生活上あまり支障はないようですが、2年p.90〜91上段の午前、午後を示した図を用いて、午後0時40分と正しく表すことをご指導いただければと思います。その上で、前述の午後12時40分や12:40PMのような表し方は、正午から40分過ぎた時刻であり、慣例的な表し方であることをとらえさせるようにしていただければと思います。

  • Q.

    わり算の答えで「6あまり2」のときに、「6・・・2」と書く表記を扱っていないのはなぜですか。

    A.

    弊社教科書では平成12年版まで(平成13年度まで使用)「6あまり15は6・・・15とかくこともあります」と示していました。これを削除した理由は主に2つあります。

    1つは、4年p.37四角2「67このあめを1人に4こずつ分けます。何人に分けられて、何こあまりますか。」の答え「16あまり3」を「商は16」で「あまりは3」のようにはっきりととらえることができます。さらに、p.38でわり算の確かめの式を学習するとき、「わる数×商+あまり=わられる数」の式でどの数値をどこにあてはめて確かめればよいかがわかりやすくなると考えます。

    もう1つは、「0、1、2、3、・・・・・・のような数を整数といいます。」のように、「・・・」の表記を他の場面でも使用することがあるので、「・・・」の意味についての混乱を避けることから、わり算では「あまり」の言葉を用いるようにしました。

    ただし、「・・・」の表記をしてはいけないということではありません。

  • Q.

    平成27年版の3年生の教科書では、小数よりも分数を先に学習していましたが、令和2年版で小数を先に学習するように変更されたのはなぜですか。

    A.

    平成27年版の教科書では、2年生で分数を学習していること、小数の単元において、「1/10の位」という用語を扱うことができることなどから、分数を先に扱う単元配列としていました。

    令和2年版では、分数は児童にとってやや理解が難しい単元であることや、小数のほうが整数と同じ十進位取り記数法に基づいており、身の回りでも多く用いられていて、児童にとって理解しやすいということから単元配列を変更しました。

  • Q.

    平成27年版の教科書では、分数の計算で答えが仮分数になった際には帯分数になおすように記載されていましたが、令和2年版から解答の記載が変わったのはなぜですか。

    A.

    平成27年版の教科書では、帯分数のほうが大きさがわかりやすいことや、それによって誤りを見つけやすくなることなどから、答えは帯分数になおすことを基本としていました。

    一方で、仮分数のままでも不正解というわけではないことや、中学校数学では仮分数を主に扱うことなどをふまえ、令和2年版の教科書では、答えの記載の仕方を変更しました。

    具体的には、一般的な方法で計算した際に最初にたどり着く形を解答として示し、それ以外の形を( )をつけて示しています。例えば、仮分数どうしのたし算であれば、そのまま計算すれば仮分数の答えがはじめに導かれるため、仮分数を解答とし、帯分数は( )をつけて載せています。

  • Q.

    例えば商が0.857のようになって、これを上から2けたの概数にするという問題だった場合、どの位を四捨五入するのですか。一の位の0は、上から1けためと考えるのですか。

    A.

    この場合、0は有効数字ではありません。したがって、小数第一位の8から1けためと数えます(日本数学教育学会編著「算数教育指導用語辞典」p.116 平成30年発行)。本教科書では、このような混乱を避けるため、この種の問題は扱っていません。