小学校 理科 よくある質問

なぜ,動物だけでなく,植物にも「成長」を使うのでしょうか。
教科書の用語・記号の表記は,各教科に対応した学術用語集(文部科学省発行)に従うよう教科書検定基準に定められています。「成長/生長」については,学術用語集「植物学編」昭和31年初版では「生長」に,「動物学編」昭和29年初版では「成長」になっていましたが,その後,植物と動物に区別することが難しい場合が多くなり,「成長」に統一されるようになりました。昭和49年発行の「遺伝学編」でも「成長」を採用しており,「植物学編」も平成2年改訂の際に「生長」から「成長」に変更されています。
このようなことから,理科教科書の表記は,小学校から高等学校まで「成長」に統一されています。ただし,「生長」も間違いではなく,他教科においては「生長」を使用する場合もあります。
なぜ,教科書に掲載されているマンガン乾電池の大きさは,単一型ではなく単三型なのでしょうか。
テレビのリモコンなど身近で使われる乾電池は,単三型や単四型が多く,単一型乾電池を見る機会が少なくなってきています。児童が学習内容に対して,実生活と関連付けて実感を伴った理解を図りやすいように,単三型を掲載しています。
また,教科書の乾電池は,アルカリ乾電池ではなく,マンガン乾電池です。アルカリ乾電池や充電式電池などは強アルカリ性の液が含まれているので,万一液もれしたとき危険であるからです。
なぜ,アルコールランプではなく実験用ガスこんろを使用するのでしょうか。
アルコールランプを使うより実験用ガスこんろを使ったほうが,加熱時間が短くてすむということがあります。また,扱いが難しく指導に時間のかかるアルコールランプよりも,簡単に操作できる実験用ガスこんろを活用してもよいのではないかという意見もありました。
学習指導要領では「問題解決能力の育成」や「科学的な見方や考え方を養う」などを重視することになっており,そうした活動を保障するために実験を効率よく行うことも必要であると考えました。
なぜ,リットルの表記がℓではなく,Lになったのでしょうか。
日本の単位表記を国際基準(SI単位と呼ばれます)に即したものに変更する流れを受けたためです。SI単位では,単位の書体は“立体”で表記するように決められています。このことから,小学校の教科書でも国際基準の表記とするのが妥当と判断し,そのように教科書に記載させていただきました。

詳細につきましては下記のページに記載しています。
なぜ,虫めがねの使い方の表現が変わったのでしょうか。
これまでは,3年生の発達段階を考慮して,見たいものを動かせるときは,虫めがねを目の近くに持って見たいものを動かしてピントを合わせ,見たいものが動かせないときは,虫めがねを動かしてピントを合わせる使い方を掲載していました。
しかし,中学校以降で使うことになるルーペは,常にルーペを目の近くに持ってピントを合わせて使います。そのため,小学校の虫めがねもそれに合わせた使い方に変えています。
なぜ,「ゴム」を「風」よりも先に学習することになったのでしょうか。
風の強弱の実験は,車の作り方や風の当たり方によって,車の進む距離に差が出にくいことがあります。そのため,そのようなことによる影響を受けにくいゴムの学習を先にしました。これにより,風の実験で差があまり出ないときも,ゴムの学習を踏まえて理解しやすくなると考えています。
ゴムの実験では,ゴムで引いた車の先頭がスタートラインに合うようになっています。なぜ,発射装置の先端をスタートラインにしていないのでしょうか。
「車のすすむ長さ」を,車の先頭をスタートラインに合わせたときの,車の先頭の移動距離とするほうが,3年生の児童にとって,ゴムの強弱による進み方の違いの比較がしやすくなると考えています。また,風の実験では車の先頭をスタートラインに合わせるので,ゴムと風で同じ操作にすることができます。
なぜ,「ものの重さをしらべよう」のじっけん2で使う物は,球体から立方体に変わったのでしょうか。
教材としては立方体でも球体でも支障はありません。球体の場合,台の上を転がってしまうことなどから,児童がより扱いやすい立方体にしました。また,立方体のほうが,同じ体積であることが児童にとってより認識しやすいという意見もあり,このようにしています。
「じしゃくのふしぎをしらべよう」の「作ってみよう(キツツキ)」は,どのようなところに注意すると,上手に作ることができるでしょうか。
下記の点に注意するとよいでしょう。
  • 紙コップを動かしたときに2枚のマグネットシートがきちんと重なるように,2枚ともまっすぐに貼るようにします。
  • キツツキの絵の紙が重かったり,マグネットシートに貼る細長い紙が柔らかすぎたりすると,紙コップを縦にしたときにキツツキが反ってしまうことがあります。その場合でも紙コップを少し倒せばきちんと動かすことができますが,紙を少し硬さのあるものに変えたり,紙ののりしろの長さを少し短くしたりすると,縦にしても反らなくなります。
なぜ,モーターの形状が,丸いものから平たいものに変わったのでしょうか。
実験で台に取り付けるときや,「作ってみよう」で車に取り付けるときに,安定しやすいためです。なお,今回使用しているモーター(マブチモーター:型式FA-130)と,これまで掲載していたモーター(マブチモーター:型式RE-140)とで,性能に大きな差はありません。
回路図の描き方について,中学校の教科書では,電池の数が増えても電気用図記号では1つの記号で表す旨の記載があります。なぜ,小学校の教科書では,2つの乾電池を使っている場合に記号を2つ描いているのでしょうか。
小学校理科では,回路図の描き方を学習するのではなく,実験結果を整理するために電気用図記号を用いています。このことから,乾電池1個,2個直列,2個並列のどの回路の結果を表しているのか児童がわかるように,表記しています。
「作ってみよう」の「かべにあたるとバックする電気自動車」は,どのようなところに注意すると,上手に作ることができるでしょうか。
導線とアルミニウム箔,割びょうなどがしっかりと接続することが大切です。特に,下記の点に注意するとよいでしょう。
  • 導線はアルミニウム箔やモーター,乾電池などにしっかりと接着・接続しているか。
  • 割びょうはアルミニウム箔に触れているか。
    →半透明のシートを強めに張り,割びょうがアルミニウム箔にしっかりと触れるようにする。
  • 割びょうがさびたりしていないか。
    →やすりでみがく。
この他,スイッチがまっすぐに引っ込むように,竹ひごを工作用紙にそってまっすぐに貼り付けること,また,2本の導線をスイッチのサイズに合わせて,平行になるように車に貼ることもポイントです。
なぜ,栓にジャガイモを使ったのでしょうか。
ジャガイモを使ったのは気密性が高いからです。また,筒との摩擦が小さいので,閉じ込めた空気に力を加えて離したとき,栓が戻りやすいからでもあります。さらに,輪切りにしたジャガイモに筒を突き立てるだけで,栓をすることができます。入手しやすく,安全性も高いです。ただ,食材を道具として使っていますので,無駄な使い方をしない配慮が必要です。
導入のペットボトルを湯につけて栓を飛ばす活動で,栓が飛びません。どうしたらよいでしょうか。
栓は水で濡らし,あまりきつくはめないようにします。また,一度湯に入れたペットボトルは中が温まり,再度湯に入れたときに栓が飛ばないことがあります。水道水などで冷ますと,温めたときの温度差が大きくなり,飛びやすくなります。
「もののあたたまり方」のじっけん1で,溶けたろうがたれて,ガスこんろなどが汚れてしまいます。どうしたらよいでしょうか。
ろうをうすく塗るようにすると,溶けてもあまりたれません。加熱したときに溶けていく様子を見ることができる程度に,うすく丁寧に塗るとよいでしょう。なお,ろうに火がつくと燃えるため,火をあてるところには塗らないようにしてください。
なぜ,「もののあたたまり方」のじっけん2の③では,金網を使用するのでしょうか。
直火で熱すると,局所加熱によりビーカーが割れるおそれがあるためです。金網を使用すると,直火に比べ削り節が動き始めるまでに時間がかかったり動きがゆるやかになったりしますが,熱せられた部分の削り節の上昇をより安全に観察することができます。
「もののあたたまり方」のじっけん3で,煙の動きがよく見えません。どうしたらよいでしょうか。
煙の上昇を顕著にとらえられるのは最初の上昇のときですので,インスタントかいろを下に置いたらビーカーから目を離さないようにします。その他,下記の点に注意するとよいでしょう。
  • 気温が高いと,インスタントかいろで温めても空気の温度の変化が小さく,煙があまり動かないことがあります。実験を行う日の室温を考慮しましょう。
  • 実験を行うときにインスタントかいろが十分に温まっているように,事前に袋から出しておきます。
  • 煙をためる際,線香を動かさず静かにためます。また,アルミニウム箔でしっかりふたをして,煙が逃げないようにします。
  • ビーカーの後ろに黒い画用紙などを置くと,煙が見やすくなります。
「すがたをかえる水」のじっけん3で,温度があまり下がりません。どうしたらよいでしょうか。
氷,水,食塩の分量や混ぜ方によって,寒剤の温度は変わります。分量を正確にし,よく混ぜることが大切です。それでも温度が下がらないときは,氷をもっと細かくしたり食塩の量を増やしたりするとよいでしょう。
「すがたをかえる水」のじっけん3で,実験後,試験管を見ると割れていました。なぜでしょうか。
ガラス器具は硬いものなどと接触すると傷ができます。細かい傷でも強度が下がり,破損につながる恐れがあるので注意が必要です。そのため,新しい試験管を使うように,傷ができていないことを確認してから実験しましょう。
また,試験管を寒剤に入れたまま放置すると,試験管が割れるおそれがあります。実験が終わったら早めに取り出すようにします。
なぜ,電磁石の材料がエナメル線からビニル導線に変わったのでしょうか。
次のような利点があるためです。
  • エナメル線よりも巻きやすい。(6年から5年に移行した単元であるため,児童にとってエナメル線をよれずに巻くことが難しくなっています。)
  • 鉄心の鉄くぎに電流が流れていないことがわかりやすい。(エナメル線は,銅線の表面を覆っている絶縁体に光沢があるので,児童が鉄心にも電流が流れると誤解することがあります。)
  • 第3学年からビニル導線を使ってきた児童にとって身近である。
  • ストローがいらない。(エナメル線のようにストローがなくても,容易にコイルと鉄心を分離できます。)
電磁石に使うビニル導線はどのようなものがよいでしょうか。
教科書では,芯が1本で太さが0.4 mmのものを使用しています。このような商品は,下記の企業で販売されています。
株式会社アーテック
「ビニール導線100 m」
株式会社内田洋行
「ビニール銅線 爪でむける銅線」
 
「電磁石コイル用 爪でむける銅線」
ケニス株式会社
「爪ではがせるビニル線」
株式会社大和科学教材研究所
「ビニル銅線 A型」
株式会社ナリカ
「ビニールコード(手でむけるくん)」
株式会社はくぶん
「ビニル導線」
株式会社ヤガミ
「手でむける銅線」
なぜ,「もののとけ方」で,ホウ酸を使ったのでしょうか。
ホウ酸の溶解度が水100 gに対して,20 ℃で4.8 g,60 ℃で14.8 gと,温度の上昇とともに適度に大きくなっていくため,食塩の溶解のようすと対比するうえで,最適の教材と考えています。
ホウ酸以外ではミョウバン(生ミョウバン)も,この実験に適しています。水100 gに対して,20 ℃で11.4 g,60 ℃で57.4 gと,温度上昇とともに溶解度が非常に大きくなるからです。時間をかければ,教科書p.146にあるような,きれいな形のミョウバンの結晶を作ることも可能です。ただし,ミョウバンを使う場合には次のことに配慮する必要があります。
  • 実験に使うミョウバンの量が非常に多くなる。
    水に溶けにくく,飽和したか判断しにくい。
  • 焼きミョウバンを使うと,生ミョウバンが析出する。
    そのため,教科書はホウ酸を主体的にとり上げました。(なお,ミョウバンは資料で取り上げています。)
    ホウ酸の危険性が指摘されることがあります。しかし,理科で扱う薬品はどれも危険性があります。多量に服用すれば,ホウ酸だけでなく,ミョウバンや食塩もとても有害です。
「もののとけ方」のりかのたまてばこで,大きなミョウバンがうまくつくれません。どうしたらよいでしょうか。
さまざまな条件によりでき方が変わりますが,下記の点に留意するとよいです。
  • 最初の種結晶できれいなものを使うと,大きくしたときに比較的形のよい結晶になります。種結晶を作る際にミョウバンを溶かす水は,水道水を一度よく沸騰させたものを使うと比較的きれいな種結晶ができます。種結晶はきれいな形のものを選びます。
  • 種結晶を吊るすひもを,綿などの表面が毛羽立ったものを使うと,小さい結晶がたくさんついてしまい,1つの大きな結晶ができにくいことがあります。釣り糸などを使用するとよいです。種結晶を糸で結ぶのが難しい場合は,熱した針金で突き刺してもよいです。
  • 温度変化やほこり,振動などによって大きくならなかったり形が悪くなったりします。発泡ポリスチレンなどの箱に入れてふたをし,振動などがあまりない場所に置いておくようにします。
「ふりこの動き」の実験1は,ふりこの長さ,おもりの重さ,ふれはばの順番に行った方がよいでしょうか。
どの実験から行ってもかまいません。教科書では,計測による誤差を「1往復する時間が変わる」と,児童がとらえてしまうことがないように,1往復する時間が変わるふりこの長さの実験を初めに掲載しています。
気体を石灰水に通したり,気体を入れた容器に石灰水を入れて振ったりしたとき,二酸化炭素が十分にあっても白くにごらないときがあります。なぜでしょうか。
二酸化炭素が多かったり振り過ぎたりするためだと考えられます。二酸化炭素と石灰水が反応してできた白いにごりの物質(炭酸カルシウム)が,さらに二酸化炭素と反応すると,水に溶ける物質(炭酸水素カルシウム)に変化してしまい,透明になってしまいます。
なぜ,「ものの燃え方」の実験1で,底のある集気びんを使わなくなったのですか。
火を使う実験であるため,使用する実験器具の種類を減らすことで,実験操作がより簡単になるようにしています。また,実験ではろうそく立てを使っています。これはろうそくが安定し,融けたろうが粘土に落ちにくくなるためです。
なぜ,「植物の成長と日光」と「植物の成長と水」を1つの単元ではなく2つの単元に分けているのですか。
平成26年度までの教科書では,配当時期が6月で梅雨にあたり,「植物の成長と日光」の実験が設定しにくくなっていました。そこで,「体のつくりとはたらき」の前に配当して,梅雨の前に日光の実験を終えるようにしています。
一方,「植物の成長と水」は,実験に使うホウセンカを4月上旬に種まきをすると,「植物の成長と日光」と同じ5月では大きさがまだ十分ではないと考え,育成期間をとって「体のつくりとはたらき」のあとに配当しました。
補足:「植物の成長と日光」の単元が早まったことで,涼しくてもよく育ち,また,でんぷんの検出がしやすいジャガイモを教材として採用しています。
なぜ,水の通り道を調べる実験で,食用色素を使うことになったのでしょうか?
平成21~22年までの移行期間では,弊社では食紅を使用していました。食紅は色素とでんぷんが混じっており,このでんぷんが吸水しにくくしていたため,食紅で作った色水をろ過してから実験を行っていました。しかし,先生方から“ろ過をするのに手間がかかる”というご意見,ご感想をいただき,でんぷんの入っていない色素を使って実験をする方法に変更しました。食用なので万が一,口に入っても安全であり,でんぷんが入っていないのでろ過をする必要がありません。
これまで使っていた食紅で実験をする先生は,ろ過をしてから,実験を行うようにしてください。

※食用色素は,以下のお店などで購入できます。
「水よう液の性質」の実験3で,アルミニウムがなかなかとけません。塩酸の濃度を高くしてもよいでしょうか。
児童の安全の確保を考えると,塩酸の濃度を高くすることは危険です。紙やすりなどでアルミニウムの表面を磨いて,塩酸と接する面積が大きくすると,反応しやすくなります。それでもとけないときは,アルミニウム箔を使うとよいでしょう。
「水よう液の性質」の学んだことを生かそうの実験を,実際にやってみたいのですが,どのようなことに注意すればよいでしょうか。
各単元末の「学んだことを生かそう」は,これまで学んできた知識を活用し,自分の言葉で説明する問題で,科学的な思考力・表現力を高めることを目的としています。この問題も,結果の表をもとに考えるものとして設定しています。そのため,実際に実験を行う場合は,教師が事前実験を行って安全性を確認してください。実験では換気をして,保護メガネを着用し,水溶液を熱する際は加熱しすぎないこと(固体の飛び散りを防ぐ),水溶液や加熱後の物質に触れないことなど,安全に十分に留意して下さい。
なぜ,「電気の性質とはたらき」の手回し発電機は,低出力(3 V出力)のものを掲載したのでしょうか。
現在流通している手回し発電機には,高出力(12 V)と低出力(3 V)があります。
低出力のものを掲載したのは,小学校でこれまで使ってきた豆電球や発光ダイオードなどの教材をそのまま流用できるからです。
高出力のものを使用すると,従来の豆電球や発光ダイオードなどは破損しやすくなります。高出力のものに対応した豆電球や発光ダイオードなどを準備する必要があります。
なぜ,「電気の性質とはたらき」で電熱線の太さによって発熱量を調べる実験のとき,液晶温度計を使った装置にしたのでしょうか。
温度変化が定量的に調べられるので,電熱線の太さによる発熱量の違いを比較するのが容易だからです。36 ℃程度までしか電熱線を熱しないので火傷などの心配がありません。
「電気の性質とその利用」の実験4で,太い電熱線のほうが温度の変化が小さくなってしまいました。なぜでしょうか。
乾電池が古いと,太い電熱線のほうが温度が低くなることがあります。電源装置を使ったり,新しい乾電池を使ったりするようにします。なお,電源装置は乾電池を使うときのように電圧が下がらないため,すぐに温度が上がります。そのため3.0 Vではなく,1.5 Vで行うようにします。
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