1年生

1.10をつくるゲーム(教科書p.39)

教科書p.37~39で扱っている「たして10になる数の組み合わせ」の学習は,1年生後半のくり上がりのたし算やくり下がりのひき算の計算に役に立ちます。教科書p.39「おうちでさんすう」のゲームなどを通じて,十分に習熟させておくとよいでしょう。

ゲームの具体的な進め方は以下のとおりです。

  • (1)トランプの中から,1~9までのカードを4枚ずつ取り出す。
  • (2)取り出したカード全部をプレイヤーに配る。
  • (3)ババ抜きの要領でカードをひき,たして10になる組み合わせができたら,場に捨てる。
  • (4)早くカードがなくなった人の勝ち。

このゲームの他にも,教科書p.36などで紹介しているゲームをトランプを使って行うなどして,10についての習熟をはかることもできます。少しレベルアップしますが,神経衰弱の形式にしても面白いかもしれません。

くり上がりのたし算,くり下がりのひき算の学習は,11~12月に予定されていますので,それまでの間に,上記のようなゲームなどを通して,10に慣れ親しんでおくとよいでしょう。また,くり上がりのたし算,くり下がりのひき算がスムーズにできない様子が見られたときには,一度10をつくる練習に戻り,スムーズにできるかをチェックするとよいでしょう。

2.生活の中で数に触れる(教科書p.145)

1年生では,120程度までの数について学習します。買い物などの日常生活の中で,「このお菓子はいくらかな?」などと問いかけ,学習したことを活用させるようにすると,より数に対して慣れ親しむことができるとともに,算数の学習が生活に役立つことを実感させる機会にもなります。

また,子どもに数を順番に言わせるときには,1から順に言わせるだけではなく,5とび,10とびで言わせたり,100から逆に言わせたりしてもよいでしょう。特に5とびの数については,時計を読むときにも活用するので,十分に慣れ親しんでおくとよいでしょう。

また,子供たちは,そらで数字を言うことができても,具体的な物と対応させながら,「1こ,2こ,3こ,……」と数えていくことが必ずしも容易ではない場合があります。集めているシールの数などを数えさせたりして練習させてもよいでしょう。

3.時計を読む練習(教科書p.154)

1年生の子供たちにとって,アナログの時計を読むことは必ずしも容易なことではありません。算数の授業で読み方を学習しますが,それだけではなく,学校生活や家庭生活の中で随時触れていくことで,徐々に読み方に慣れていき,使いこなせるようになっていきます。

家庭に時計を置くときには,アナログ時計を積極的に置くようにし,教科書p.154のように,生活の中で子供に時刻を意識させるように問いかけるとよいでしょう。また,駅や公園にある時計を見させて,今の時刻や電車の出る時刻,帰る時刻などを意識して声掛けするのも,時計を見たり読んだりする習慣を身につけるのに役立つでしょう。

また,教科書p.153四角2のような活動をご家庭で取り組むこともできます。こちらのページには,時計の読み方を練習したり,時刻に合わせて針をあわせる練習ができるデジタルコンテンツを用意していますので,必要に応じてご活用ください。

2年生

1.生活の中で時間に触れる(教科書p.94)

2年生では,1年生で学習した時計の読み方をふまえて,「時刻」「時間」の概念と,簡単な場合について時間や時刻を求めることを学習します。具体的には,教科書p.88,92のような,長針が12時をまたがない比較的簡単な問題を扱います。(「10時50分の30分後の時刻は?」といったものは3年生での扱いとしています。)

このことをふまえて,教科書p.94のように,生活の中で時刻や時間を問いかける際,あまり複雑なものは聞かないようにするとよいでしょう。また,2年生の段階では,暗算で時刻や時間を求めることは難しいと考えられますので,実際のアナログ時計を見ながら答えさせる程度にするとよいでしょう。

他にも,「あと5分で何時?」「10分たったら教えてね」といったように問いかけ,5分,10分の時間の感覚をもたせるようにするのもよいでしょう。

なお,時計の読み方については1年生の学習ですが,十分に習熟できていない場合もあります。そのような様子が見られた場合には,弊社ウェブサイトにある時計のコンテンツを活用するなどして,復習してもよいでしょう。

2.かけ算しりとり(教科書p.157)

2年生の学習で最も重要なものが九九の暗唱です。3年生以降のかけ算の筆算やわり算の学習にも関わってくるため,教科書p.157のゲームなどを通じて,十分に習熟させる必要があります。

教科書p.157のゲーム以外にも,p.146のかけ算ビンゴやp.147のゲームなどに取り組んでも,たのしく練習できます。子供たちの持っている算数セットには,九九カードが入ってるので,それを使って取り組むとよいでしょう。

また,ゲームではなく,九九をシンプルに言わせるようなときには,「7の段の九九を7×9から逆順で言ってごらん」のように問いかけてもよいでしょう。さらに,ただ単に九九を言わせるだけではなく,日常生活の中でお菓子などの数を数える際に「かけ算で数えられるかな」と問いかけてみると,かけ算を活用する力を伸ばすことができるとともに,算数が生活に役立つことを実感する機会にもなります。

3年生

1.生活の中でわり算に触れる(教科書p.68)

3年生のわり算は,42÷6や50÷8のような,九九を1回使えば計算できるようなものが中心です。72÷3のような九九を複数回使うものや筆算は4年生の扱いになります(一部,63÷3のような簡単なものは3年生でも触れます)。

学校でも教科書や問題集を使って習熟をはかっていますが,教科書p.68のように,生活の中で物を分けるときなどに問いかけてみることで,わり算を使う場面の理解を深めることができます。

また,わり算がスムーズにできない場合,九九の習熟が不十分であることも考えられますので,九九の練習をさせてもよいでしょう。その際は,このページの2年生の欄に記載したゲームを行ったり,弊社ウェブサイトにあるこちらのコンテンツを活用したりしてもよいでしょう。

2.重さのはかり方を日常生活に生かす(教科書p.198)

3年生では,重さの単位を学習し,アナログのはかりを使った計量について学習します。また,p.198のように,お皿などの重さを差し引く工夫についても学習します。

アナログのはかりの目盛りを読むことは,子供たちが苦手とすることの1つです。教科書では,p.194~197のように,目盛りをまっすぐに伸ばしたものも提示し,理解しやすくなるようにしています。家庭でも,料理をする際などに,アナログのはかりを使って計量させるようにし,目盛りの読み方に慣れさせていくとよいでしょう。その際には,はじめに1目盛りの大きさを確認させることが大切です。

また,2年生では,L,mLなどの単位の学習もしていますので,計量カップなどを使って水や牛乳などをはからせるようにしてもよいでしょう。生活で使われる計量器(はかり,カップ)を見えるところに置いておき,遊び感覚で使えるようにしておくと,単位をより身近に感じ,量の感覚を養うことができます。

3.その他

教科書に「おうちで算数」のコーナーを設けてはいませんが,時刻と時間についても家庭で取り組むことが考えられます。

3年生では,「10時40分の30分後の時刻は?」「4時50分から5時10分までの時間は?」といった,長針が12の目盛りをまたぐようなものを学習します。生活の中で「今からお鍋で20分煮込むよ。何時に火から下ろせばいいかな?」などと,時刻や時間に慣れ親しむようにするとよいでしょう。このタイプの問題は苦手とする児童も少なくないため,家にある時計を見ながら答えさせるようにするとよいでしょう。また,この頃からは,デジタル時計を見て20分をたし算して答えを求めることもできるようになってきます。様々な種類の時計を活用し,興味を広げていくことも大切です。