多摩川|上流3
釜の淵公園は、多摩川の河口より、およそ61kmの地点。多摩川が山間部に入りかけた位置にある。多摩川が大きく北側に半円を描くように蛇行する形状は地図で見るとギリシャ文字のオメガ(Ω)を思わせる。多摩川の流れが岩盤に阻まれて蛇行を余儀なくされ、このような形になったものという。川の流れが岩盤にぶつかって流れの向きを変えるとき、渦巻く流れによって川底が深く抉られ、いわゆる“淵”を形作る。岸に当たる部分に釜のように深い淵が生じ、この淵を昔から人々は“釜ヶ淵”と呼んだという。
公園内には、柳淵橋(りゅうえんばし)と鮎美橋(あゆみばし)の2つ歩行者用の橋が架かっていて、橋の上から川の蛇行、水の流れ、河原の様子なども観察することができる。河原では、蛇行の内側と外側での水の流れの速さの違いや岩石の大きさの違いを比較することができる。