大日本図書

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  • 2023/04/15
  • 重要なお知らせ

不適切な営業活動事案の再発防止策について

はじめに

昨年9月に発覚し、その後調査が行われた、弊社における不適切な営業活動につきましては、「教科書発行者行動規範」に違反し、教科書採択の公正性・透明性に疑念を生じさせる極めて重大な過ちであったと深く反省しております。

このたびの事案につきまして、第三者を含む機関として設置された「大日本図書株式会社特別調査委員会」の調査報告書を本年1月26日に弊社ホームページにて公表いたしました。

弊社といたしましてはこれを受け、経営トップである社長が弊社全社員に向けて「自社の教科書採択を至上のものとするあまり、行動規範の遵守をはじめとするコンプライアンスを疎かにすることは、絶対に許されない」という大原則を改めて明確に決意表明したところです。その上で、この報告書にもとづき、社内体制を以下のように見直しました。今後は全社を挙げて再発防止に徹底的に努め、社会の信頼に足る企業へと再生することを強く決意いたします。


1. 社内ガバナンス体制の強化

今般の不祥事の検証結果を踏まえれば、これまでの弊社におけるガバナンスが脆弱であったことは明らかでありました。このことを真摯に反省し、ガバナンス体制を強固なものへと改革するため、社内の体制を見直し、以下の通り再構築いたします。

①新コンプライアンス体制の構築
 社内の「コンプライアンス委員会」についてはこれまでも設置されていましたが、その役割の実効性・独立性が希薄であり、定期開催もなく組織が形骸化していたために、機能が十分果たせなかったと言えます。そのため、委員会の構成を見直し、社外から有識者を招聘するなどして再構成することで、社内外双方からのチェック機能を備えるとともに、取締役会からの独立性を高め、その機能・権限を強化いたします。

◦コンプライアンス委員会
 社内のコンプライアンスに係る不正や問題点について調査・検討を行い、取締役会へ報告します。委員は、教育行政や教科書採択に関するコンプライアンスにも通じた有識者、顧問弁護士、取締役1名、総務関係責任者(事務窓口)等により構成します。この委員会は定期的に開催するほか、事案発生時など適宜臨時に開催します。経営権とは独立したガバナンス体制の柱として委員会を位置付けるため、その権限・機能についての社内規定を策定します。
 また、コンプライアンス委員会の下部組織として、「教科書コンプライアンス専門委員会」を設置します。この専門委員会は、コンプライアンスに係る案件のうち、特に教科書採択等に関係する不正や問題点を調査し、報告する役割を担います。社員に対する研修等の啓蒙活動の立案・実施もこの委員会が行います。委員は社外有識者、顧問弁護士、編集局長、営業局長、教科書協会制度専門委員、総務関係責任者(事務窓口)を中心に構成し、定期開催・案件発生時などの臨時開催とします。
 なお専門委員会はこのほかに、「ハラスメント防止専門委員会」、「情報セキュリティー専門委員会」を設置いたします。コンプライアンス委員会の全体構成は下図の通りです。

コンプライアンス委員会全体構成

  なおコンプライアンス委員会には、社内外からの相談・通報窓口を設けます。広く相談・通報を受け付け、同時に各部署や取締役会からの独立性を担保します。このコンプライアンス委員会の体制は令和5年5月1日に発足します。


②全社的な体制の見直し

◦取締役体制の刷新
 取締役の体制を見直し、令和4年12月より企業再建とガバナンス改革に向けた新体制へと変更しました。

◦営業局の活動目的の再定義と名称の変更
 採択勧誘のための過度な営業活動を決して再び発生させないため、現営業局の活動目的を「教科書の内容・品質を向上させるための情報収集、教育支援のための情報提供」と再定義してその活動に徹することとします。現営業局の名称については、その活動目的を適切に表すものとして、令和5年5月1日より「教育ソリューション事業局」へと変更します。


2. コンプライアンス徹底のための全社的な意識改革とその取り組み

今般の不祥事の再発防止のためには、体制の見直しとともに、全社員それぞれにおいての意識改革と実効性ある諸規定への取り組みが極めて重要であると捉えました。
 「大日本図書株式会社特別調査委員会」の調査報告書においては、自社の教科書採択を至上のものとして、行動規範を遵守するという最低限のコンプライアンス意識すら麻痺し、欠落したために不祥事が発生した、という指摘がなされました。
 このことを重く受け止め、まずは根本的な意識改革として、「教科書発行者行動規範」の「I総論」の趣旨を改めて社員一人一人が常に意識し遵守できるように徹底します。「I総論」2の「会員各社は、教科書採択は教科書の内容の優劣によって行われるべきであることを銘記し、採択勧誘のための過度な営業活動を行ってはならない。」という立場を改めて鮮明にして活動することを、社内外に宣言します。その上で、以下の諸施策を実行いたします。

①全ての部局における不祥事案件の総括
 当該である営業局に限らず、全ての部局において、今般案件と自部署との関係性も含めて振り返り、議論して意識の共有を図ります。

②自社版「行動規範細則」の策定
 「教科書発行者行動規範」を参考にして、部局横断的なメンバーにより作成チームを構成し、別紙1の通り「大日本図書 教育ソリューション事業局行動規範」を策定しました。この行動規範は令和5年5月1日より実施します。
 この「大日本図書 教育ソリューション事業局行動規範」にもとづき、社内においては定期的(年1回以上)に研修会を実施いたします。

③経理処理に関する諸規定の見直し
 「大日本図書株式会社特別調査委員会」の調査報告書において指摘されたように、弊社における不適切な経理処理によって不祥事を未然に防ぐことができなかったという点を踏まえ、経理処理に関する諸規定を見直し、新たなルールを別紙2の通り策定しました。その内容には、以下の事項を盛り込んでいます。
◦経理伝票の新たな記載ルールを全社的に確認する。
◦社内各部局における伝票集計の係について、日々点検を強化する。
◦教育ソリューション事業局においては、活動記録と経理伝票との紐付の明確化を義務付ける。

  この新たなルールは令和5年5月1日より実施します。
 また、将来的には全ての経理伝票を電子化します。これらのことで、経理関係業務における管理体制を強固なものとしていきます。


3. その他

上記のほかに、再発防止のための諸施策をさらに実効性あるものとするため、以下の各項目を実行します。

①教育ソリューション事業局においては、定期的な人事交流等により担当の固定化を防ぎ、開かれた組織作りを目指します。

②「コンプライアンス体制の宣言」として、上記新コンプライアンス体制および「大日本図書 教育ソリューション事業局行動規範」について、ウェブサイトを通じて公開します。


おわりに

このたびの弊社の不適切な営業活動につきましては、教科書発行者として、教科書採択の公正性・透明性を確保するという社会的責務を十分に果たすことができなかったという点で、調査報告書にある通り弊社のガバナンスの欠如であったと重く厳粛に受け止めております。

弊社といたしましては、豊かな教育実践に資するため、今後も教科用図書の発行を継続できるよう、上記の通り社内ガバナンス体制の強化や全社的な意識改革、具体策の実行を通して、再発防止の徹底に努めて参ります。そして教科書発行者としての社会的信用を着実に回復していくために役員・社員一同力を合わせて活動していくことをお誓い申し上げます。


以上

本件問い合わせ先:
 
大日本図書株式会社 総務部
TEL.03-5940-8670