停電中に光る ろうかのライト
放課後、帰る準備をしていたら大きなかみなりが落ちて学校が停電した。
教室からろうかに出てみたけど、まっ暗で何も見えない。
けど、天井を見上げると…
あれ?
非常口のライトは光ったままだ。
電気が止まっているのに、なんで…?
そんなことを考えていたら、すぐに電気が復旧した。
あ〜よかった。
それにしても、停電中に非常口のライトはどうしてついていたんだろう?
気になるので、電気屋さんに聞いてみることにした。
電気屋さんにて…
こんにちは〜!
おお!こんにちは。雨は大丈夫だったかい?
うん!だいぶ弱まってきたよ。
そうか。よかった。
おじさん、今日は教えてもらいたいことがあるんだ。
どうしたんだい?
今日の放課後、かみなりで学校が停電しちゃったんだけど、非常口のライトはついたままだったの。
どういうことなのか、気になっちゃって…。
ああ、それは中に「充電池」が入っているからだよ。
充電池?
うん。ライトの中には電気をためておく充電池が入っていて、停電で電気が届かなくなった時には、この充電池の電気で光るようになっているんだ。
へ〜!電気ってためることができるんだね。
うん。水のタンクと同じように、電気も必要な時に使えるようにためておくことができるんだ。
あ、お店にも非常口のライトがあるから、中をあけて充電池を見てみよう。
うわ〜!
非常口のライトの充電池ってこんなに大きいんだ。
単3形の電池が小さく見えるよ。
充電池はほかにもいろいろなモノに使われているよ。
ほら、いま君が手に持っているスマホやゲーム機もそうだし、お家で活躍しているロボット掃除機などにも使われているんだよ。電気をくりかえし充電して(ためて)使っているでしょ?
たしかに! こんな身近なところにも充電池が使われていたんだ〜!
例えばね、いまお店の庭で光っているライトも充電池を使っているんだよ。
え? このライトも電気をためているの?
うん。これはソーラーライトっていう装置で、昼間に太陽光で発電した電気を充電池にためておいて、夜はその電気を使って光っているんだよ。
ん? 発電ってどういうこと?
ライトの中に、太陽光を使って電気をつくる部品があるんだ。「光電池」ともいうよ。光電池で ”つくった” 電気を、充電池に ”ためて” 夜に光るようになっているんだ。
へ〜! 光で電気をつくるなんてすごいね!
そうだね。そういえば第一公園の時計は見たことある?
うん!第一公園には友だちとよくサッカーをしに行くからね!
時計にもソーラーライトと同じしくみが使われているよ。
光電池でつくられた電気を充電池にためて、その電気で時計が動くようになっているんだ。
そうだったんだ〜! でも、どうしてわざわざ光電池や充電池を使うの?
電気をひくための配線工事が必要ないし、電気代もかからないんだ。充電池なら発電した電気をくりかえしためて使えるから、電池切れを心配しなくてすむしね。
たしかに。高いところにのぼって電池をとり替えるのは大変だもんねえ。
そうそう。
電気って「使う」ものだと思っていたけど、「ためる」とか「つくる」こともできるんだね。
いい視点だね。それが生活のいろいろな場面に活用されているんだよ。
そっか〜。
おじさん、今日はありがとうございました。
新しい発見がいろいろありました〜!
それは何よりだよ。暗いから気をつけて帰ってね。
次の日…
家で片付けをしていると引き出しの中に古い電卓を見つけた。
取り出してみると…
あれ?
表示されている字がよく見えないな。電池切れかな?
そのまま引き出しの外に置いておくと、字がくっきり見えて使えるようになった。
明るい場所に置くと使えるようになる…? これってもしかして…?
インターネットで調べてみると、家にあるのは「ソーラー電卓」だった!
電気屋さんに教わったソーラーライトのしくみと同じように、光でつくった電気を利用して動くんだって。
すごーい!ほかにもいろいろ探してみようっと。
2025.12.8






















