大日本図書は1890年(明治23年)の創業です。私が敬愛する文豪夏目漱石先生が東京帝国大学に入学した年です。創業者である佐久間貞一は、秀英舎という印刷会社を経営しておりましたが、日本が近代国家へと発展するためには、良質な教科書が作られ、供給されることが不可欠と考え、文部省の教科書出版事業を受け継ぎ、当社を興しました。明治・大正・昭和・平成・令和と創業以来130年を超える歴史の中で、教科書発行を中心として、学術書や児童書などの出版を続け、わが国の教育を支えてまいりました。
現在では、小学校・中学校の検定教科書を中心として、教師用指導書や児童生徒用問題集等の教育関連図書、および児童書の出版を行っております。教育界ではICT教育の推進が大きな課題となっており、わが社としても、新たなデジタル教科書や教材の開発・発行に力を注ぎ、教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)に対応して参ります。
「解けない問い」が次々と現れる予測困難な時代といわれる現在ですが、未来を発展させる鍵を握っているのは子どもたちです。これはいつの時代も変わりません。そしてわたしたち大日本図書の思いも不変です。それは、予測困難な時代の中で、すべての子どもたちが、興味・関心をもって主体的に学ぶことで、たくましく生きる力を身につけ、豊富なコミュニケーションを通して「解けない問い」に果敢に立ち向かう姿を実現することです。
そのために「もっと輝く子どもたちの明日のために」という企業理念を社員一同でしっかりと共有し、出版活動を通して、「学ぶたのしさ」「わかるよろこび」を子どもたちに伝えていきます。そして未来をになう子どもたちの成長を支えることに寄与し、広く日本の教育、文化の発展に向けて今後も貢献して参ります。
2022年12月