大日本図書

教科書いまむかし

教科書紹介 小学校算数編

8平成29年(2017年)
学習指導要領
「社会に開かれた教育課程」の提起

グローバル化や人工知能などの技術革新が急速に進む時代のなかで、予測困難な時代でも、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、未来を切り拓く力の育成が求められるようになりました。
目指すべき資質・能力(「何かできるようになるか」)が以下の3つの柱とされ、各教科等の目標や内容についてもこの柱をもとに再整理されました。

  • ◦何を理解しているか、何ができるか(知識・技能)」
  • ◦理解していること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力)」
  • ◦どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力・人間性等)」

また、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」も注目され、「主体的・対話的で深い学び」が重視されるようになりました。


小学校算数においては、数学的な見方・考え方を通して、資質・能力の三つの柱である「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」を養うべく、より一層主体的・対話的で深い学びの充実が求められるようになりました。また、中央教育審議会答申に示された「事象を数理的に捉え、数学の問題を見いだし、問題を自立的、協働的に解決し、解決過程を振り返って概念を形成したり体系化したりする過程」といった、問題発見や解決の過程が重要であると示され、「日常生活や社会の事象を数理的に捉え、数学的に処理し、問題を解決する過程」「数学の事象について統合的・発展的に考え、問題を解決する過程」の二つの過程が相互に関わり合って展開するとしました。またこれらの過程は、自立的に、時に協働的に行い、それぞれに主体的に取り組めるようにすることにより、資質・能力の育成や指導の改善を図ることが重視されるようになりました。

算数科・数学科では、学習内容について、どのような「数学的な見方・考え方」を働かせて数学的活動を行い、どのような「知識・技能」及び「思考力・判断力・表現力等」を身に付けることを目指すのかを示していくことが必要とされ、その上で「内容」の系統性や「内容」の構成、配列などの改善が図られ、数学的な見方・考え方や育成を目指す資質・能力に基づき、内容の系統性が見直され、領域が全体的に整理し直されました。その結果、「A数と計算」、「B図形」、「C測定」、「C変化と関係」に新たに統計領域である「Dデータの活用」を加えた五つの領域とされました。また、プログラミング教育などについても内容の取扱いで触れることとされました。

総授業時数も下の表のように増加し、学習内容のより一層の充実が図られました。

総授業時数1年2年3年4年5年6年
平成20年版H20850910945980980980
平成29年版H29850910980101510151015

6年で学習していたメートル法の単位の仕組みは、3年でkmやgなどの基本単位を、4年で面積、5年で体積の組立単位を扱っています。また、5年で扱っていた「分数×整数」、「分数÷整数」が6年へ、6年で扱っていた「速さ」が5年に移行しました。また、前回改訂時から5年に追加された「素数」については、今回の改訂で中学1年に戻り、逆に中学1年で扱っていた「平均値、中央値、最頻値、階級」などの統計領域が6年に追加され、小学校段階から統計的なデータの扱いを重視するようになりました。

大日本図書では、令和2年に「たのしい算数」を発行し、その後令和6年に『新版 たのしい算数』を発行しています。

ここでは、令和2年発行の「たのしい算数」を紹介します。

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