教科書いまむかし
教科書紹介 中学校保健体育編
7平成20年(2008年)
学習指導要領「生きる力」の育成、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランス
平成20年の学習指導要領の改訂では、系統性を重視し、学ぶ内容を明確にするという趣旨から、内容が整理されました。
また、平成20年1月中央教育審議会の答申において、「心と体をより一体としてとらえ、健全な成長を促すことが重要であること」とされ、保健と体育をより関連させて指導することが提言されています。
体育分野では、「体育に関する知識」の名称が高校接続などの観点から「体育理論」に改められました。
保健分野では、二次災害によって生じる傷害、医薬品に関する内容が新たに取り扱われています。
大日本図書では、平成24年に『中学校保健体育』を発行し、その後、平成28年に改訂しています。
国立教育政策研究所
「学習指導要領データベース」
平成24年(2012年)版 中学校保健体育
中学校保健体育の授業時間数が90時間から105時間に増加しました。平成24年版では、1時間で学習する内容を1見開きにまとめています。
体育理論については、従前の2単元から、「運動やスポーツの多様性」「運動やスポーツが心身の発達にあたえる効果と安全」「文化としてのスポーツの意義」の3単元となりました。
二次災害
平成14年版から、自然災害についての取り扱いが始まりましたが、平成24年版からは、自然災害の二次災害についても取り扱われるようになりました。
土砂崩れ、火災などだけではなく、大地震後の「心の変化」なども示されており、様々な二次災害について言及されています。
医薬品の有効利用
健康を守るために、医薬品を正しく使うことについて、学習内容として取り扱われています。
平成28年(2016年)版 新版 中学校保健体育
平成28年版『新版 中学校保健体育』では、「自ら学ぶ力と、実践力の育成につながる教科書」を基本方針とし、以下の5つを目指して作成されました。
- ◦主体的な課題解決学習を通した学習者中心の構成
- ◦学習を生活で活かす実践力を身につけることができる学習内容
- ◦考察や話し合い及び実習等の活動を通したコミュニケーションを重視する授業への対応
- ◦1見開き1時間のわかりやすい単元配列
- ◦健康や安全と関わりのある環境、生命の尊さの内容に配慮
自然災害
自然災害について、資料として大きく取り上げています。地震、集中豪雨、竜巻、落雷、火山の噴火について大きく写真で示し、自然の脅威について知ることができるようなページとなっています。
スポーツは世界の言葉
オリンピック・パラリンピックなどの、さまざまな国際大会を取り上げています。
スポーツは民族や国、人種や性別のちがい、障がいの有無などをこえて人々を結びつけることを示しています。
中学校保健体育の教科書の変遷