教科書いまむかし
教科書紹介 中学校保健体育編
4昭和52年(1977年)
学習指導要領学習負担の適正化
保健体育の内容も学習負担の適正化の流れを汲み、小学校では5・6年で4領域、中学校でも4領域のみとなりました。
体育分野では、目標として「楽しく明るい生活を営む態度を育てる」という文言が追加され、「運動能力・体力重視の体育」から「楽しい体育」への転換が始まりました。
中学校でも、体育分野は従来の8領域から「体操」「個人的スポーツ」「集団的スポーツ」「格技」「ダンス」「体育に関する知識」の6領域に整理統合されました。保健分野でも、従来の7領域が「心身の発達」「健康と環境」「疾病の予防と傷害の防止」及び「健康と生活」の4領域に整理されています。
大日本図書では、昭和56年に『中学校保健体育』を発行し、その後、昭和59、62年、平成2年に改訂しています。
ここでは、昭和56年発行の『中学校保健体育』を紹介します。
国立教育政策研究所
「学習指導要領データベース」
昭和56年(1981年)版 中学校保健体育
昭和56年版では、従来のような学年ごとでなく、学習内容の系統性に沿って、分野ごとに構成しています。
目次を見ると、体育分野では、保健分野や高等学校の体育理論との関連を考慮し、「運動と心身のはたらき」「運動の練習と体力の測定」の2項目に、保健分野でも、4項目に整理・統合されていることがわかります。
心身の発達
これまで、身体と精神の発達については別のものとして学習されていましたが、昭和52年の学習指導要領の改訂により、「心身の発達」として取り扱われることとなりました。
病気の予防
以前は、疾病や傷害の種類、特徴について多く記載されていましたが、病気の種類を厳選し、病気を予防するための適切な対策について学習することとなりました。
個人と集団の健康
個人の健康が周囲の人々の健康に影響を与えているということについて、赤痢を例にして述べられています。
昭和59年(1984年)版 改訂 中学校保健体育
昭和62年(1987年)版 新版 中学校保健体育
平成2年(1990年)版 新訂 中学校保健体育
裏表紙まで続くあしらいになっています。
中学校保健体育の教科書の変遷