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アンドレ=マリ・アンペール
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電流の単位アンペアは,フランスの物理学者アンドレ=マリ・アンペール(1775年〜1836年)に因んでつけられました。
アンペールは,1820年,電流とそのまわりにできる磁界の関係をあらわすアンペールの法則を発見しました。
中学校理科で学習する,電流がつくる磁界の向きの関係を見いだしたのもアンペールです。
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電気素量
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2019年5月20日より,アンペアは電気素量によって定義されることになりました。
電気素量とは,陽子1個の電荷に等しい電気量のことです。陽子と電子の電荷の絶対値は等しいので,電子1個の電荷の符号を逆にした電気量ということもできます。
電気量 Q は,電流 I と時間 t を使って次のように表せます。
Q=It⇔I=Qt電気素量の大きさが,1.602176634×10−19 C(クーロン) と定められたので,1 A は,1 秒間に電気素量の 11.602176634×10−19 倍の電荷が流れる電流になります。
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0.001118000 g って何のこと?
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さらに古い定義にあった硝酸銀水溶液の電気分解によって析出する銀の質量が 0.001118000 g とは,どういうことでしょうか。
硝酸銀水溶液の電気分解による銀の析出は,次のように表せます。Ag++e−⟶ Ag0.001118000 g の銀の物質量は,銀の原子量が107.9なので0.001118000107.9 molになります。反応式より,流れた電子の物質量も0.001118000107.9 mol であることがわかります。
この分数で分子を 1 にすると,0.001118000÷0.001118000107.9÷0.001118000=196511 となります。1 mol の電子の物質量であるファラデー定数 F=96500 C/mol が現れました。
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1 A ってどのくらい?
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50インチの液晶テレビに流れる電流が,およそ 1 A です。
電力 P は電圧 V と電流 I の積で表されます(P=VI)。50インチの液晶テレビの消費電力が 105 W というとき,電流 I は次のように求められます。I=PV=105100=1.05A