教科書いまむかし
教科書紹介 小学校保健編
5平成元年(1989年)
学習指導要領社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成
小学校の保健では、平成元年の学習指導要領において「体の健康とともに心の健康を重視し、身近な生活における健康の保持増進に必要な基礎的な知識の習得に重点をおいて内容の改善を図ること」とされ、「保健」単体の教科書(5・6年用)が発行されるようになりました。
また、いじめなどの問題がクローズアップされるなか、保健領域では、幼少中高を通じて心の健康が取り上げられるようになりました。
大日本図書では、平成4年に『たのしい保健』を発行し、その後平成8年に『新版 たのしい保健』、平成12年に『新訂 たのしい保健』を発行しています。
ここでは、平成4年発行の『たのしい保健』を紹介します。
国立教育政策研究所
「学習指導要領データベース」
平成4年(1992年)版 たのしい保健
平成4年版の基本方針は次の3点です。
- ◦楽しくわかりやすい内容
- ◦学びやすく、教えやすい構成
- ◦健康な生活を実践する意欲の喚起
このころの保健の教科書は、現在のようなフルカラーではなく、フルカラーページと2色ページが混在している形となっています。
平成元年の学習指導要領では、「身近な生活」の範囲が「学校や家庭などの児童の身近な生活の範囲」とされていることから、「けがの防止」の単元では「学校生活」でおこるけがが中心に扱われています。

心の健康
平成元年の学習指導要領から、体の発育についてだけでなく、心の発達についても学習が行われることになりました。
年齢とともに心が変化し、おとなになる準備が始まることを学びます。
参考
巻末の折り込みは、「自転車に乗るときの注意」、「楽しい食事」がテーマの特設ページです。
健康に暮らすための環境
健康の保持増進に欠かせないものとして、「よい水・よい空気・日光」を扱っています。
平成8年(1996年)版 新版 たのしい保健

平成12年(2000年)版 新訂 たのしい保健

小学校保健の教科書の変遷