教科書いまむかし
教科書紹介 小学校保健編
6平成10年(1998年)
学習指導要領基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」の育成
平成10年の学習指導要領で示された「生きる力」には「たくましく生きるための健康や体力」という要素があり、また「児童の発育・発達の早期化や生活習慣の乱れなどに対応する」ため、3・4年から保健の授業が始まることとなりました。教科書もそれに対応し、この改訂から2冊編成となりました。
大日本図書では、平成14年に『たのしい保健』を発行し、その後平成17年に『新版 たのしい保健』を発行しています。
ここでは、平成17年発行の『新版 たのしい保健』を紹介します。
国立教育政策研究所
「学習指導要領データベース」
平成14年(2002年)版 たのしい保健
前述の通り、平成10年の学習指導要領の改訂により教科書が2冊編成となり、“楽しく学べ、役立つ”をモットーに作成されました。
内容面では、日光と健康のかかわりについての内容がなくなり、新たに「けがの手当」「心とからだの関係」「生活習慣病の予防」「たばこ・酒・シンナーや覚せいざいなどの害」の学習が加わりました。
また、この平成14年版から全ページフルカラー構成となっています。
平成17年(2005年)版 新版 たのしい保健
ほけんゲーム
この時代から、各単元の導入部分において、児童の興味を引き起こしながら単元の学習をナビゲートするため、学習ゲームのページが導入されました。
クロスワードや迷路などさまざまなゲームにより、楽しみながら学習に入ることができるようになっています。
けがの手当
平成10年の学習指導要領で新しく内容に加わった「けがの手当」では、けがの手当の方法を知るだけでなく、ロールプレイングの場面を設けました。学習内容を動作化し、手当の仕方を確実に身に付けられるようになっています。
心と体の関係
平成10年の学習指導要領で新しく内容に加わった「心と体の関係」では、心と体のつながりについて、自分の体験を振り返り気付いていけるよう、様々な場面を思い起こすことのできるように構成しました。
心と体の調子がよいときにはどんなことがあるのか、わるいときにはどんなことがあるのか、対比しながら心と体の密接なつながりを学んでいきます。
生活習慣病の予防
平成10年の学習指導要領で新しく内容に加わった「生活習慣病の予防」では、病気の発生要因や予防の方法理解し、予防のための適切な対策を考えて行動するための内容となっていました。
小学校保健の教科書の変遷