クラフト作家・イラストレーター
吉田朋子さん
2005.09.01
わたしと教科書
元小学校算数編集長
福本憲一郎さん
小学校算数科の編集担当になった当初の教科書(昭和49年度版「新算数」)を見ていたら、小さい挿絵ではありますが懐かしい場面がありました。
ページ中段に、やかんとなべのイラストがあります。やかんは、1デシリットルますで5はい。なべは、1デシリットルますで10はい。と書いてありますが、イラストのやかんとなべの容積の比は、本当に1:2になっているでしょうか?
共に大凡(おおよそ)高さの等しい円柱とみて計算してみましょう。高さが等しいのですから容積の比は底面積の比になります。底面積の比は紙面に表れている長さの比の2乗になりますから、なべの直径(半径)がやかんのそれの $\sqrt{2}$ 倍になっていればよいわけです。
昭和49年版 新算数2年1 p.85
ページ中段に、やかんとなべのイラストがあります。やかんは、1デシリットルますで5はい。なべは、1デシリットルますで10はい。と書いてありますが、イラストのやかんとなべの容積の比は、本当に1:2になっているでしょうか?
共に大凡(おおよそ)高さの等しい円柱とみて計算してみましょう。高さが等しいのですから容積の比は底面積の比になります。底面積の比は紙面に表れている長さの比の2乗になりますから、なべの直径(半径)がやかんのそれの $\sqrt{2}$ 倍になっていればよいわけです。
紙面上のイラストを実際に測ってみると、図のような寸法になっていました。
やかんは 17 mm、なべは 24 mm です。24 $\div$ 17 $\fallingdotseq$ 1.41 となり、$\sqrt{2}$ に極めて近い数値になりました。
2005.12.01
やかんは 17 mm、なべは 24 mm です。
24 $\div$ 17 $\fallingdotseq$ 1.41 となり、$\sqrt{2}$ に極めて近い数値になりました。
2005.12.01