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ガブリエル・ファーレンハイト
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華氏度は,オランダの物理学者ガブリエル・ファーレンハイト(1686年〜1736年)の考案した単位です。華氏(温度)というのは,ファーレンハイトの中国語表記「華倫海」に名前につける敬称の「氏」をつけたものです。つまり,ファーレンハイトさんの温度という意味になります。
ファーレンハイトは,ガラス職人としての技術と科学の知識を活かして,精度の高い水銀温度計を最初に発明したことで知られています。彼は,その温度計の性能をアピールするため,細かい温度目盛りを考案しました。また,普段の暮らしの中で負の数が出ないように,塩化アンモニウムと水と氷で作った寒剤の温度を 0 度,ヒトの体温を 96 度 としました。その後,より安定した基準にするため,水の凝固点を 32 度,沸点を 212 度と改めました。
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0 °F ってどのくらい?
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家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度が,およそ 0 °F です。
冷凍室の温度は,IEC(国際電気標準会議)規格,JIS(日本工業規格)によって, -18 ℃(以下)と定められています。
華氏温度を F,セルシウス温度を C とすると,冷凍庫の華氏温度は次のように求められます。
F=95C+32=95×(−18°C)+32=−0.4°F
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アメリカで使われる単位
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アメリカの映画やドラマを見ているとき,字幕に出る数字に違和感を感じることがありませんか。
例えば,死体の体温を測っている場面で,字幕には「32度。死後4時間だ」などと出ているのに,温度計には「90.0」と表示されていたり,sixty degree と聞き取れたのに,字幕には「15 度」と出ていたり。
これは,アメリカが華氏温度を使っているためです。
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華氏451度
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「華氏451度」というSF小説を知っていますか?
アメリカの小説家レイ・ブラッドベリの1953年の作品で,本の所有や読書を禁止された社会を描いたお話です。フランソワ・トリュフォー監督で1966年に映画化もされました。
タイトルになった「華氏451度」というのは,紙が自然発火する温度をさしています。
自然発火というのは,火をつけなくても発火する現象のことです。
例えば,白リン P4 は,発火点が 約 60 ℃ と低く,ちょっとした衝撃を与えるだけで発火します。その性質を利用して,古くはロウマッチに使われていました。
現在使われているマッチは安全マッチといって,マッチ棒を箱の横にある摩擦面にこすらないと発火しませんが,ロウマッチは棒だけあればよく,適当な面でこするだけで発火しました。
現在は,白リン自体の毒性から使用が禁止されていますが,西部劇などでカウボーイがマッチをブーツでこすって火をつけたりするシーンは,当時のロウマッチを再現したものです。
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華氏911
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単位の換算
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空欄に数値入力することで、単位を換算することができます。
°C = °F = K