普段皆さんが写真を撮るときには,きれいな風景や記念の場面でポーズをとりながら1,2枚パチリとシャッターを押すだけということがほとんどだと思います。
しかし,教科書や雑誌などに使う写真はそういうわけにはいきません。左の写真は9月頃に学習する「長さ」の単元に出ているものですが,実際に撮影したのは初冬の寒い日で,子どもたちは撮影直前まで上着を着ていました。9月に上着を着ているのは季節に合わないので,撮影直前に上着を脱いでもらい撮り始めました。最初は順調でしたが,だんだんと寒さでひきつった笑顔になってしまいました。「最後の決め手は君たちの笑顔だよ」などといって,何十枚も撮影しましたが,思うような1枚が撮れません。笑わせようと面白い話もしましたが, カメラを構えながらでは,限界があります。
実は,そういうときのために奥の手があるのです。寒さには簡易カイロを背中やおなか,靴の中など,たくさんつけてもらいました。笑顔のためには,特に意味はなくても楽しい気分になれるような意味なし言葉を言ってもらいます(このときは「ニャンニャンニャンニャン」と言ってもらいました)。するとねらいが的中し,子どもたちの表情もゆるんできました。
そして,最高の笑顔の時にシャッターを切ったのが右の写真です。どうです,「ニャンニャン」と言っているように見えてきませんか?
雑誌,新聞などを中心に活躍するフリーカメラマン。大日本図書では,算数のほか数学などの教科書の写真を撮り続けている。
モノクロ写真にこだわった作品も多く,ホームページではそれらの一部を観ることもできる。2003年には,写真詩集「薬罐」(冨山房)を出版。また,個展も頻繁に開催している。
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