八重咲きの山吹の花には実がならないよ。
と,隣に乗っていた妻が言い出しました。
え〜! そうなの?
…実がなっても小さくて気づいてないだけじゃないの?
と反論すると,
だって,七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき という歌があるじゃないの。
太田道灌が旅の途中でにわか雨にあい,民家に蓑を借りに寄ると,娘が山吹の花を一輪差し出したという話ね。
越生(おごせ)にその碑があるね。
さらに,妻は言います。
その歌の実の一つだになきは,箕一つだになき,と掛けてるのよ。
ほう,さすがは元文学少女。マスターはすっかり感心してしまいました。
歌の通りなら,七重,八重咲きの山吹の花は実ががならない?
本当かな? と半信半疑でネットで調べると,「七重や八重咲きは園芸種で,おしべが花弁になり,めしべが退化した」とありました。
ふ〜ん。それなら納得。
でも,太田道灌は室町時代の人で,山吹は特に園芸種にするほどでもないんじゃないかな?
またしても,マスターの好奇心に火がつきました。
よし,山吹の咲く4〜5月に花を見に行き,花が散った頃に実がなっているかを確かめよう! と暖かくなる春を待ち望んでいます。