大日本図書

わたしと教科書

元小学校算数編集長
福本憲一郎さん

立体を平面上に表したときの量感 

小学校算数科の編集担当になった当初の教科書(昭和49年度版「新算数」)を見ていたら、小さい挿絵ではありますが懐かしい場面がありました。

ページ中段に、やかんとなべのイラストがあります。やかんは、1デシリットルますで5はい。なべは、1デシリットルますで10はい。と書いてありますが、イラストのやかんとなべの容積の比は、本当に1:2になっているでしょうか?

共に大凡(おおよそ)高さの等しい円柱とみて計算してみましょう。高さが等しいのですから容積の比は底面積の比になります。底面積の比は紙面に表れている長さの比の2乗になりますから、なべの直径(半径)がやかんのそれの $\sqrt{2}$ 倍になっていればよいわけです。

S49新算数2年1p.85

昭和49年版 新算数2年1 p.85

ページ中段に、やかんとなべのイラストがあります。やかんは、1デシリットルますで5はい。なべは、1デシリットルますで10はい。と書いてありますが、イラストのやかんとなべの容積の比は、本当に1:2になっているでしょうか?

共に大凡(おおよそ)高さの等しい円柱とみて計算してみましょう。高さが等しいのですから容積の比は底面積の比になります。底面積の比は紙面に表れている長さの比の2乗になりますから、なべの直径(半径)がやかんのそれの $\sqrt{2}$ 倍になっていればよいわけです。

紙面上のイラストを実際に測ってみると、図のような寸法になっていました。

やかんは 17 mm、なべは 24 mm です。24 $\div$ 17 $\fallingdotseq$ 1.41 となり、$\sqrt{2}$ に極めて近い数値になりました。

2005.12.01

表紙のウサギ

やかんは 17 mm、なべは 24 mm です。

24 $\div$ 17 $\fallingdotseq$ 1.41 となり、$\sqrt{2}$ に極めて近い数値になりました。

2005.12.01

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