vol.27 - No.8 (2025年7月15日)

今回もミツバチの話題です。前回の原稿を書き終えた6月の最終日曜日に、またミツバチに関する思いもよらないことが起こりました。昨年6月のNo.05と7月のNo.06で話題にした二ホンミツバチの巣箱は、1年間放置したままでした。今年も二ホンミツバチの分蜂があるかもしれないと思いながらも、色々な出来事があって捕獲のことまで気が回らない状態でした。そんな忘れかけていた7月目前の日曜日に、置かれていた二ホンミツバチの巣箱に出入りするミツバチがいて、そのミツバチをミツバチより大きなハチが襲っているという連絡を受けました。二ホンミツバチの分蜂群が、放置していた巣箱に入ってくれたと思いすぐに巣箱を見に行ったところ、驚いたことに巣箱に出入りしていたのは二ホンミツバチではなくセイヨウミツバチでした。巣箱の中を調べてみたところ女王もいて、ふたのされた蛹の入る巣房もありました。二ホンミツバチ用に入れてあった巣礎(ミツバチのロウで作られた六角形の型押しがされた巣を作るためのもとになる板)は、セイヨウミツバチ用に巣が盛り上げられ不揃いな形になっていました。それもそのはずです。セイヨウミツバチよりやや小さい二ホンミツバチ用なので、巣礎の六角形はほんのわずかですが小さいのです。そんな巣礎の上にセイヨウミツバチサイズの巣房を作ったのですからきれいにそろうわけがありません。セイヨウミツバチが二ホンミツバチ用の巣箱の中で生活を始めるなんて考えられないことでした。また、セイヨウミツバチの分蜂群は、新しい生活場所を見つけてから分蜂するといったことはせず、あてもなく巣箱から飛び出すので、多くの場合は人に見つけられて巣箱に収容されない限り野生の群れとして長く生活していくことができません。長い間人に飼われ家畜のように暮らしてきたセイヨウミツバチには、自然の中で生きていく力はないのです。幸い偶然にも二ホンミツバチの巣箱にたどり着き、群れとして生き延びることができたという極めてまれなことが起きたのです。このハチたちは早速セイヨウミツバチ用の巣箱に移され、セイヨウミツバチ専用の巣脾が与えられました。前号で書いた女王のいない群れは、この群れと一緒にされて女王のいる正常な群れとなり、私が飼育するセイヨウミツバチの群れは3群になりました。思わぬ出来事の結果、手早く健全な1群を得ることができ、今のところセイヨウミツバチの飼育は順調といえる状態です。

さて今回は、今年も大発生が懸念されるカメムシの仲間の中から、アオクサカメムシが育つようすを紹介します。