vol.27 - No.4 (2025年5月15日)
種が発芽し卵が孵化して育つ、多くの生き物の命がわき出すと言ってもいいようなときを迎えています。畑はおろか草の生える空地や地面すら見ることのない生活を送る人たちには想像もつかないことでしょうが、私が過ごす4月と5月は、雨の降るとき以外さまざまな植物の芽や孵化したばかりの幼虫に出会うときです。1日に数時間ずつ、畑の草取りや春に収穫した作物の片づけ、夏にかけて育てる作物の苗の植え付けなどをしながら周囲を観察していると、多くの生き物の命の営みが見えてきます。先日も、ジャガイモの葉につくオオニジュウヤホシテントウ(ジャガイモの害虫)を取りのぞいているときに、驚くほどたくさんのヤブキリ(キリギリスに似たバッタ)の小さな幼虫に出会いました。オオニジュウヤホシテントウ同様ジャガイモの葉を食べているようなのですが、きれいな緑色をしているからなのか、可愛らしく見えるからなのか、ジャガイモの葉を食害することに目をつぶってしまいました。ヨトウガやコガネムシの幼虫は見つけ次第つぶしてしまうのですが…。たくさんいるモンシロチョウの幼虫に対しても、アブラナ科の植物の苗を育てているときと、収穫後の片づけのときとでは対応が異なります。また撮影の都合によっても、目にとまった生き物への対応は大きく変わります。自分が生きていくための食べ物となる命に対しては別としても、地球上で共に生きるさまざまな命に対する対応が一様でないことに心が揺れることはありますが、深く考えない生き方を選んでしまいます。しかし、人間が生き物であることから遠ざかっているように感じることは放っておけません。畑で生き物たちと出会いながらついついいろいろと考えてしまいます。
さて今回は、モンキアゲハの2回目です。終齢幼虫が蛹になるときのようすの紹介です。