vol.26 - No.22 (2025年2月15日)
寒さも峠を越し、庭ではロウバイの花が終わりに近づき、ウメやフクジュソウが花を咲かせ始めました。これからはさまざまな春の花が咲きだし、庭も野も色とりどりに飾られます。長く続いた暑くて長かった昨年の夏を思うと、ホッとできる生活しやすい春が、昨年の秋のようにあっという間に終わってしまわないことを祈らずにはいられません。可憐に咲く花、鳥たちの子育てのようす、虫たちが孵化してにぎやかになる野山など、自然の豊かさを感じることができる季節です。たくさんの生き物を映像として記録したいと思っているのですが…。記憶に新しいロスアンゼルスの山火事、地球全体の気温上昇によって溶けだした氷河による大洪水や陸地の水没、そして戦争など、人によってさまざまな地球破壊が引き起こされています。花は咲きださず、鳥の声も聞こえず、虫たちも育ち始めない、そんな地域のあることを憂います。60年ほど前に出版された「沈黙の春(サイレントスプリング)」という本があります。その題名が頭から離れない、そんな状態で春を迎えてしまうことが多くなりました。私が生を受けてからもずっと、さまざまな新しい技術が生み出され、生活は便利で快適になりました。生き物としてできて(して)当たり前なことすら他人にさせたり機械にさせたりと、そんな生活が豊かで進歩的と捉えられるようになりました。しかし、私は進歩の定義を考え直したいと思っています。進歩したという表現は良い方向に向かっているという印象を受けますが、最近の新しい技術や便利追及の中には、本当に人のためになっているのだろうかと疑問に思うものが多くあります。私には、自分の頭と体だけでは何もできない人間を作り出す進歩は、人を幸せにできないと思うのですがいかがでしょうか。
さて今回は、寒い今でも、部屋に置かれた飼育ケースの中で孵化したり育ったりしている、シバスズが育つようすを紹介します。