vol.25 - No.14 (2023年10月15日)

今年の猛暑はミツバチにとっても大変だったようで、私の飼育する巣箱の働きバチも数が大分少なくなってしまいました。そのような状態で迎えた9月、これからはスズメバチの襲撃が懸念されます。毎年はらはらしながら9月を過ごすのですが、このままで例年のようにスズメバチに襲われると、働きバチはさらに少なくなり、群れが全滅しかねません。ところが、今年は9月も8月同様猛暑だったためか、スズメバチの襲撃は例年より少なかったのです。その後、1か月遅れの9月の末ころからスズメバチの襲撃回数が増え始めました。本来スズメバチは自分たちの子供の餌にするためにミツバチを襲うのですが、巣箱の前でミツバチを襲っているうちに興奮状態になり、本来の目的を忘れてしまうようです。ひと噛みしては落としひと噛みしては落としを繰り返し、殺すことが目的のようになってしまいます。そのため、ほんのわずかな時間で何百ものミツバチが犠牲となります。ハチというと花を訪れ蜜を吸うようすを思い浮かべる人が多いと思いますが、スズメバチやアシナガバチなどのハチは子どもの餌としてチョウやガの幼虫を襲います。そうした幼虫を噛み砕き、肉団子を作って巣に持ち帰るのです。周囲に多くのチョウやガの幼虫がいないと、ミツバチが被害にあうことになります。ふつうは暑さが峠を越した9月、スズメバチたちの繁殖は盛んになり始めます。特に、台風のために餌取りができない日が続くと、台風が去ったすぐ後にミツバチの群れはたくさんのスズメバチに襲われるのです。そんな例年の8月9月とは今年は大分異なりました。スズメバチもアシナガバチも、猛暑のために、ミツバチ同様あまり繁殖することができなかったようです。そのことが原因と思われる出来事が9月に起こりました。それは、9月にアゲハチョウなどのチョウが多く飛んでいたということです。本来ならスズメバチに発見され食べられてしまうチョウの幼虫が生きのび、多くが成虫にまで育つことができたと思われるのです。自然はちょっとしたことでバランスを崩し、いつもとは違った表情を見せます。しかし、崩れたバランスをまた上手に修復していきます。人が自然のバランスを壊すこととは大きな違いがあることを考えさせられる10月のスタートでした。

さて今回は、夏に子どもが生まれ9月10月に成長する、サワガニが育つようすを紹介します。