vol.23 - No.11 (2021年9月1日)

畑の周囲に林があると、年々木は大きくなるので畑の日照に大きな影響を与えるようになります。私がミツバチを飼育している畑の北東と北西の方向にも林があります。そこも、前回のヤマトタマムシの話に登場した畑の境のエノキともども木が大きくなりすぎています。そこで数年前、畑に枝を突き出すように大きく育ったクヌギの木が切り倒されました。そのクヌギは枝が切り払われ、太い幹は2mほどの長さに切り分けられて林と畑の境に転がされていました。切り倒されたクヌギの木のそばにもエノキが2本あり、そのエノキの木の周りでもタマムシが飛び交っていました。そのようすを見てある考えが思い浮かびました。タマムシの成長には2~3年の年月がかかります。今ここで飛び交っているタマムシが切り倒されたクヌギの木の中で育ったと考えると、年数的にぴったりです。たまたまやってきたタマムシが、幼虫が育つのに十分な太くて長いクヌギの木に卵を産んだために、今たくさんの成虫がエノキの周りを飛び交っているのだという結論にたどり着いた訳です。条件がそろえばタマムシを増やすことができます。産卵させることができたらと期待して捕まえたのですが、飼育して産卵させることは容易なことではありませんでした。一番の問題点はヤマトタマムシが神経質な昆虫であることです。飼育ケースの中では与えた餌のエノキの葉を食べようとしません。平気で食べてくれたのはたった1匹だけでした。その1匹はメスだったので産卵を期待したのですが、与えた産卵木が気に入らなかったようです。3週間生きたのですが、結局産卵はしませんでした。今年は飼育を終わらせましたが、来年は、広くて自然に近い飼育箱や太い産卵用の木などを用意して再挑戦しようと思っています。

さて今回は、7月から9月の夏の暑いときに花を咲かせるキョウチクトウが育つようすを紹介します。