孵化のようす
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孵化のようす

四季の教材 - No.07 (1996年7月1日)

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卵からひなが生まれる瞬間は、子どもでなくても手に汗握る光景です。私などは、その瞬間に数えられないくらい出会ってきましたので、自分で殻を割って出てこられない弱いひなは「人間が手伝って割ってあげても、育つことはほとんどないんだよ」などと、やきもきする子どもたちに、さめた口調で話したりしてしまいます。

ひなの孵化しそうな日が近づいたら、こまめにめんどりのお腹の下をのぞいて、はしうち(たまごの殻を割りだすこと)が始まっていないか調べます。始まったら教室に持ち込んで、300Wほどのレフレクタランプで、撮影のための照明を兼ねながら卵をあたためます。ビデオカメラで撮影しながら、大型モニタに実況中継をすれば、小さなひとつの卵でもそのようすをみんなで観察することができます。実物を観察する児童とモニタで観察する児童を上手に交代させながら、時間のたつのも忘れて観察が続きます。殻からひなが飛び出す瞬間には、頑張れコールさえ沸き上がります。