本編では紹介しきれなかったマスターのコレクションをお見せしましょう。
江戸時代のものと思われる直径 7.5 cm 大の小さな柄付き鏡と,長辺 10.5 cm 大の懐中(かい ちゅう)鏡(懐に入れる鏡)です。
これらの2点とも,もともとは模様の面は真鍮色で,鏡面は銀色をしていたと思いますが,サビて両面が黒味を帯びています。
せっかくなので,鏡面を磨いてみました。
柄付き鏡は銅色に近いのでスズが少なく,懐中鏡は銀色に近いのでスズが多い
…とマスターは推測しました。
江戸時代中期以降は真鍮製の仏具が多く利用されているのに,「どうして鏡はわざわざ真鍮色の青銅を用い,水銀でメッキしていたのか?」
マスターは,「鏡は神聖なものとしての青銅の伝統を引き継ぎ,独立した鏡師が存在していたため」と推理しました。
おわび:第91,92,93会目に,高知で入手した江戸時代のものと思われる鏡を「真鍮」と記しましたが,「青銅」の誤りでした。したがって「真鍮」を「真鍮色」に訂正しました。
今までサイエンスCAFÉにおいでくださった皆さま「どうもありがとうございました」
これにて閉店です。_(._.)_
(c) by マスター(後藤富治)