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93 会目

第93会目 魔鏡らしきモノを鑑定

3

フィナーレ「いよいよ鑑定だ!」

う〜,やっぱり削るのはもったいな〜い!!

そこで,鏡の側面をよく見てみると…

西漢見日之光鏡の側面

なんと,鏡面(表側)に,幅 0.3 mm ほどの金色に輝くすじがあるではないか!

ひょっとしたら,この輝いている部分が貼り合わせた2重構造の片面なのでは?












でも,年代物にしては,その部分だけ輝いているのは不自然ですね。

そこで,側面の一部だけを磨いてみると…


西漢見日之光鏡の側面を磨いた

側面全体(○部)が輝いていました。

つまり,2重構造は見つかりません。

どうやら,先ほどマスターが表面を鏡面にするまで磨いているときに,側面にはみ出して磨いてしまったようです。


マスター,残念だったね。

でも,でもですね〜

「もっと内側が2重構造になってはいないだろうか!」という疑問が湧いてしまいました。

ただ,これ以上削るとなると,考古学的に禁じ手になり,万一の場合は国宝級?を破損してしまうのでは…と。



心配半分,好奇心半分。

ですが,とうとう後者が勝り,削り込むことにしました。

側面の一端をグラインダーで削り込むと…


西漢見日之光鏡の側面をグラインダーで削った

断面には,2重構造は見当たりません。

念のため,USB顕微鏡で断面を拡大してみました。


西漢見日之光鏡の側面の顕微鏡像

やはり2重構造にはなっていませんね。


【マスターの鑑定?結果】は,

「きれいに磨いた後に,表の鏡面に皇帝の姿の凸部を打ち付けた」
と思います。

(完)

これからも科学のおもしろ話題をアレコレ紹介していきます。
ただし、何分にもマスターは“頭痛持ち”&“気まぐれ”ですので…その点だけはご容赦を…m(_ _)m