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63 会目

第63会目 アッと驚く為五郎

ところで……こんなに安いモノなのに,いったいどんな構造になっているのでしょうか?

つまり,スイッチを切り替えると,

どうして,温めたり冷やしたりできるのでしょうか?

【予想】

  • (ア)特別な半導体に電気を流して,温めたり冷やしたりしている。
  • (イ)温めるときは電熱線で,冷やすときはファン(扇風機)で冷やしている。
  • (ウ)エアコンのように,あるガスをコンプレッサーで圧縮・膨張して,温めたり,冷やしたりしている
  • (エ)その他

さあ,みなさんはどう思いますか?
ここで,コーヒーでも飲みながらじっくり考えてください。

マスター,保温はヒーターで,冷温はファンかな? と思っていました。つまり(イ)だと思っていたのです。現にUSB電源を入れるとファンの音が聞こえていましたからね。

でも……と思い,マスターのイタズラ癖で,さっそく分解してみました。

裏ぶたのネジを外して開いてみると…

ウォーマー・クーラーの裏ぶたを外す

やはり,フィン(放熱版)とファンが見えてきました。










これで熱を逃がしているのだな。
でも,意外とシンプルだな〜。

と,つぶやきながらそのフィンを取り出してみると…

フィンの下にあったもの

なんと!!

4 cm 四方のペルチェ素子(半導体部品の一つ)が1枚,フィンの表側に貼り付けてあったのです。

Oh, great! まさに「アッと驚く為五郎」でした。


ペルチェ素子は,電流を流すと片方が熱くなり,もう片方が冷えます。流す電流の向きを逆転すると,その効果も反転します。

つまり,カップを置く面が,電流の向きを逆転するスイッチ1つで温と冷になる優れものです。

どうりで軽くコンパクトになるはずです。シンプルな構造だからこそ,できるのですね。

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