
これがカルシウムです。
ほとんどが黒かったり,灰色がかったりしていますが,これは表面がさびたためです。
そのさびを磨いたところ(画像左中央のかたまりなど)を見ると,まさしく銀色ですね。
え〜,こんな金属を食べたり飲んだりしてるの?
たしかに『牛乳や小魚にはカルシウムが入っているから,骨の成長期にはたくさん食べなさい』などといわれますね。

現に,このように『Ca』と表示されている牛乳もあります。
それにこのパック,よく見ると『Ca+鉄』と書いてありますね。
え〜,鉄? 鉄分ではないの?
そうそう,鉄の粒みたいのが入っていたらおかしいよ!
そうですよね。
では,
鉄と鉄分では,なにがちがうのでしょうか?
国語辞典で調べると,
◦鉄:銀白色の金属
◦鉄分:物質の中に含まれている成分としての鉄
とあります。
つまり,鉄分は,ほかの元素との化合物なのです。
したがって,もはや鉄ではなく,鉄としての性質(金属光沢など)も示しません。
カルシウムも同じです。
牛乳や骨などに成分として入っているカルシウムは,ほかの元素との化合物となったものです。
したがって,カルシウムの性質(例えば,水に触れると水素を発生し,強いアルカリ性を示す)は示しません。
水分と反応して強いアルカリ性を示すものなど,食べたら超危険です!
ですから,『牛乳や骨などにはカルシウム分が入っている』と表現すると,誤解が生じませんね。
具体的には,骨にはリン酸カルシウムというカルシウム分,牛乳にはタンパク質がカルシウムと結合したカゼインカルシウムと,リン酸カルシウムが結合したものが入っています。
『分』の1文字がつくか,つかないかで大ちがいになる,というお話でした。