もっともっとりかたまジャンプ

種子のひるね

教科書のなかみ

5年生の『植物の発芽はつが』では,植物の種子しゅしに空気,水,てきした温度をあたえると発芽することを学びました。

植物の種子は,放っておいても発芽しません。しかし,かれてしまったわけではなく,「ひるね」をしているじょうたいです。 多くの種子はきまった時間ひるねをすることで種子の皮や子葉がじゅくしてじょうぶになり,発芽のじゅんびができます。
ひるねの時間は種子によってちがいますが,およそ1~4年です。
土の中にあった種子は春あたたかくなったころから,地面にふる雨や土の中にふくまれる空気をもらうことで, 3つの条件がそろい,目をさまして発芽します。

種子の発芽

本来,ひるねの時間が長すぎると,発芽する割合がぐっと落ちます。ところが,種子の中には何千年もひるねをして,植物博士の手で現代によみがえった植物がいくつかあります。 たとえば,ナツメヤシの種子。イスラエルでおよそ2000年前のナツメヤシの種子が発見され,研究者が条件をととのえ4週めに発芽したそうです。これは発芽した世界最古の種子といわれています。
日本にもこのような例があります。およそ2000年前の種子から発芽した大賀ハスです。
今から60年くらい前に,千葉県で地下およそ 6 m から発見されました。この種子を大賀博士が発芽させたことから「大賀ハス」とよばれるようになりました。今でも千葉公園などで大賀ハスを見ることができます。

大賀ハス

千葉公園のホームページはこちらからどうぞ。

一方,ヌルデなどの種子はとてもあつい皮でおおわれています。落ちた後,条件がそろっても何年も土にうまったままになっています。 しかし,山火事などによって皮にきずがついたときにはじめて,条件に反応はんのうして発芽します。 おそらく,ほかの植物がしげる前にいち早く成長して自分たちが生き残っていくために,このようなしくみをもっているのではないかと思われます。

ヌルデ

種子の発芽は,植物にとって未来に自分の子どもを残すための大事な一歩であるといえます。

もっとりかたまもっとジャンプ トップへもどる
前にもどる もくじにもどる 次に進む