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46 会目

第46会目 続・白壁に刺激されて

さあ,漆喰づくりを続けましょう。

消石灰を乾かして,ふるいにかける

生石灰に水をかけてできた消石灰を広げて2,3日乾かし,それをふるいにかけてできた粉が,漆喰の素材です。

この粉に水を加えて練ると,漆喰が完成! …ではないのです。

そのままだと,ざらざらしていて壁などには塗りづらく,しばらくするとヒビが入ってしまいます。

そこで,

職人さんは,漆喰の粉に,ある2つのものを加えて練るのです。
この 2つのものとは,何でしょうか?

さあ,みなさん。
ここでお茶でも飲みながらじっくり考えてみてください。


1つ目は,粘着液です。

具体的には,昔もふのり等を用いました。サラダなどに入れる海藻の仲間です。

ふのりから粘着液をとりだす

これを,水から2時間ほど煮ると(ちょっと煮すぎかな? 1時間でもいいかも),ふのりの細胞壁が壊れ,中のドロドロした粘着物(=糊)が出てきます。

ふのりから粘着液をとりだす2

ふのりの細胞壁が壊れ,中のドロドロした粘着物(=糊)が出てきます。

ふのりから粘着液をとりだす3

それをガーゼでこすと,粘着液が得られます。


2つ目は,漆喰と漆喰のつなぎ剤です。

漆喰は,石膏(せっ こう)と違い,ゆっくりと水分が蒸発し,空気中の二酸化炭素を吸収して丈夫な塊になります。

しかし,やはり衝撃には弱いので,つなぎ剤を加えます。

具体的には…


麻の綿(わた)を使います。

昔は,南京袋(なん きん ぶくろ)や麻縄(あさ なわ)をほどき,漂白して使ったそうです。

そこで,マスターは荷造り用の麻紐(あさ ひも)を用意しました。

麻の綿

まずは,キッチンハイターで漂白し,乾かしました。

麻の綿2

それを 5 cm くらいに切り,よりをほどくと… 綿のようになりました。

さぁこれで漆喰塗りの材料は揃いました。

は〜,やっとここまで来た。
あと少しで完成だ。

と,気合を入れて…

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