vol.28 - No.15 (2026年11月1日)

10月の第2週に、絶滅危惧種とされるミカワシオガマ・シラタマホシクサ・エンシュウハグマ・アケボノシュスランといった山野草の撮影に行ってきました。地元のボランティアの人たちに守られ、花たちの多くは元気に咲いていました。目的としていた花の撮影をすることができてよかったという気持ちにはなれたのですが、訪れた湿原などの先々で、撮影した写真をインターネットなどで紹介する場合にはどこで撮影したかという情報を載せないでくださいと何度も言われました。理由は、大切に守っている花たちが再三盗掘の被害にあっているからということでした。私も何十年も前になりますが、隣の家や親戚の裏山からエビネ・キンラン・シュンランといった山野草を掘ってきて庭に植えたことがあります。また、園芸店などで購入して植えたこともあります。しかし、エビネ以外は数年もしないうちに絶えて花を咲かせなくなってしまいました。生き物にとっては生育環境がとても重要で、どこででも元気に育つものばかりではないのです。どこにでも生えている雑草と呼ばれるような植物でさえ、人の手で種をまくと、芽を出さず育たないものもあります。絶滅が危ぶまれる植物であればなおさらです。盗掘して庭などに持ってきても元気に育たない場合がほとんどです。盗掘は除草をしているようなものいったら大げさでしょうか。「昨年までここで〇〇はきれいに花を咲かせていたのですが、今年はその花を見ることができません。」という山野草を守る人の話を聞き、とても残念な気持ちになりました。

さて今回は、似たような花が多い秋の山野草の中から、名前の同定がしやすい葉の持ち主のカメバヒキオコシが育つようすを紹介します。