vol.27 - No.12 (2025年9月15日)
人生の大半は動植物を相手にする活動をしてきた私ですが、30歳からのおよそ20年間はコンピュータを利用した教育に夢中になっていたこともあって、野山に出かけて動物や植物にふれる時間はごくわずかになっていました。そのため、徐々に変化していた自宅周辺の自然のようすが、20年ほど飛び越えて空白の時となっているように感じています。子どもの頃は今より確実に野山が多かったことから、見かけたり話題にのぼったりする動物も多かったはずなのに、今の方が身の回りで出会う動植物の数が増えているように感じます。そう感じる理由は他にもあります。開発によって野山が減り、今まで人前に姿を見せなかった動物が人の住む場所に現れるようになった。人の行き来が盛んになったため、他の場所から持ち込まれる種や昆虫などが多くなった。温暖化などによる気温や気候の変化により今まで生きられなかった動植物の生活範囲が広がった。など色々なことが原因となって、野山や畑で見かける新顔がぐんと増えています。庭先に時々やってくるようになったガビチョウやハッカチョウなどの鳥。ツマグロヒョウモンやアカボシゴマダラ・クマゼミ・カメムシなどの昆虫。植物もたくさんあります。ナガミノヒナゲシ・アメリカオニアザミ・オオキンケイギク・キキョウソウ・ヒメツルソバ・マメカミツレ・ゴウシュウアリタソウなどが10年ほどで非常に増えている気がします。そして今年も、畑に見たことのない特徴的な姿の小さな苗が1本生えだしました。出会ったことがない草の芽だったので、花が咲いて名前が分かるまで除草せずに見守ることにしました。すると、みるみるうちに育ち2カ月ほどで株張り2mにもなりました。花が咲いたようすを見るとツユクサの仲間らしく、調べたところマルバツユクサであることが分かりました。種も採種できたので更に詳しく調べたところ、在来種ではありましたが、日本では南の温暖な地域に育つ植物で、横浜では見られないはずのものでした。そればかりか、一度生えだしたら除草が難しい植物であることも分かり、今は育てたことを後悔しています。地中にも種ができるということなので、撮影をさっさとすませ、地中部分まで完全に除去しなくてはと慌てています。
さて今回は、カンタンの2回目です。4齢幼虫が成虫になるまでのようすを紹介します。