vol.27 - No.10 (2025年8月15日)

夏も暦の上では後半になり、例年なら暑さの峠は越えて、秋の鳴く虫たちがもうすぐ涼しい秋が来るよと告げてくれるころとなりました。実際、スズムシやコオロギたちは9月や10月に鳴きだすのではなく、8月のこの時期にはすでに鳴きだしています。野原や畑などでは今、たくさんの鳴く虫の成虫を見つけることができます。私が作物を作る畑にも、クルマバッタ・クルマバッタモドキ・ヒナバッタ・コオロギなどがたくさんいて、特に良い声で鳴くエンマコオロギがおびただしい数います。鳴くといっても私たちのように声帯を震わせるのではなく、足や羽(翅)をこすり合わせて音を出すのですが。草刈りをして集めた枯草の中ではたくさんのコオロギが暮らしていて、枯草を動かすと四方八方に驚くほどの数のエンマコオロギが飛び出してきます。また、歩くだけでも行く先々でバッタが飛び出し、ときには足にぶつかってくるものもいます。バッタは昼間、あちこちで足をこすり合わせて鳴いているのですが、音は大きいわけではないので、色々な音がする中では意識して聴かないと気がつきません。コオロギの仲間は比較的大きな音を出すので、夜になるとあちこちで鳴いていることに気がつきます。しかし、畑では土の中でケラがジーーと耳鳴りのような音で鳴いているので、コオロギなどの虫の音を楽しむことが難しくなります。私の家の庭に今までたくさん住んでいたヒキガエルに何年もかけてみな転居してもらったので、静かな庭で数匹のコオロギがコロコロコロとかリーリーリーと鳴いてくれるといいなあと思い、庭に畑から鳴く虫を連れてくるのですが、なかなか定着しません。ですが、飼育ケースの中では…エンマコオロギがうるさいくらいに鳴いています。

さて今回は、鳴く虫の時期に合わせて、鳴く虫の女王と呼ばれることのあるカンタンが育つようすです。今回と来月の2回に分けて紹介します。