vol.27 - No.7 (2025年7月1日)

あとわずかで20年という長い間セイヨウミツバチを飼っているのですが、毎年のようにいろいろなことが起こります。ここ2年間は群れの働きバチが大量死して、ほとんど採蜜することができませんでした。極端な暑さ寒さの影響や冬の昼間と夕方の寒暖差、スズメバチの襲撃などさまざまな原因でミツバチにとっては暮らしにくくなっているようです。横浜でのミツバチの飼育は難しいのかなと思いながらも、予期せぬ出来事にその都度対処しながら世話を続けています。結果今年は、6月中にかつて順調に飼育できたときとほぼ同じ状態になり、何とか採蜜が可能になりました。しかし、2月から5月の4ヶ月間には次のようなことが起こりました。まずは2月に、ほぼ同じような群勢で冬越ししていた2つの群れの片方が全滅してしまいました。逆にもう片方の群れはぐんと勢力を増し、2月の終わりには冬越しを始めたときの何倍もの働きバチがいる状態になりました。そして、例年と異なる3月中に分蜂(分封とも書き、古い女王が多くの蜂を連れて巣箱から出ていくこと)が起こりました。運よく分蜂したハチ達は別の巣箱に回収することができ、群れは2つに戻りました。しばらくして回収した群を確認したところ、女王が見当たりません。もう一方の巣箱にはたくさんの王台ができていましたが、こちらの箱の中にも新女王は生まれていませんでした。そこで、2つ王台のついた巣板(正しくは巣脾という)を分蜂群に入れ、どちらの箱にも新しい女王が生まれるのを待ちました。分蜂群の王台からは2匹の女王が生まれたようです。その後、強い女王が争いに勝って1匹だけになり、正常な群れとして徐々にハチの数が増え、箱の中はいっぱいになりました。冬越しができた群れの方にも、たくさんの王台がありました。こちらも女王同士の戦いがあって強い1匹だけが残り群れが大きくなるはずでしたが、巣箱の中を点検したところ2匹の新女王がいることが分かりました。慌てて1匹の女王と3枚の巣板を別の箱に移し、巣箱は3つになりました。このままどの群れも大きくなってくれたらよかったのですが、3つ目の巣箱の新女王は上手に交尾をすることができず、産んだ卵からは雄バチばかりが生まれました。その後、不良女王は所在不明となり、女王なしの状態が数週間続いています。何とか新しい女王をといろいろ手を尽くすのですが、今も女王がいないままです。4ヶ月の間に今まで経験したことのない出来事がたくさん起こりましたが、2つの巣箱は順調に群れのハチ数を増やし、蜜もとれるようになりました。暑さ対策をしっかりして、これからも飼育を続けていければと思っています。

さて今回は、7月の終わりから花茎をのばし始め、8月から9月に花を咲かせるキツネノカミソリが育つようすを紹介します。