vol.27 - No.5 (2025年6月1日)

前回、畑でヤブキリの幼虫に出会ったことを書きましたが、部屋の飼育ケースの中ではウスイロササキリ・カンタン・クルマバッタモドキ・カマドウマの幼虫が育っています。カンタンの幼虫はなかなか上手に育ちませんでしたが、ウスイロササキリとクルマバッタモドキの幼虫は、餌が上手に食べられているようで元気に育っています。ウスイロササキリ用に畑から掘り起こしてきたスズメノカタビラの根元に、偶然ついていたと思われるカマドウマの卵から2匹の幼虫が孵化しました。2匹だけだと生存確認や所在の把握がしやすいので、餌の取り換えや撮影のためケースのふたを開けるときに多くの神経を使わずにすみます。しかし、ウスイロササキリとクルマバッタモドキの幼虫は数が多く、とても小さいばかりでなく体の数十倍もの高さまでジャンプするので、安易にふたを開けると大変なことになってしまいます。そのため、ふたについている幼虫をケースの中に落とし、まずはさっとガラスのふたに取り替えます。そうすると中のようすが見やすくなるので、小さな幼虫を見つけ出して所在を確認し、幼虫のいないところが開くようにガラスのふたをずらして大きなピンセットを差し込み、餌を取り出し新しいものに取り替えます。上手にやらないと幼虫が飛び出してしまいます。逃げた幼虫をケースに戻すためには多くの時間が必要となります。餌を取り替えるだけでも大変なのですから、撮影となるとさらに大変です。ウスイロササキリは小さいばかりでなく、餌として与えているスズメノカタビラと似たような緑色の体をしているので、ゆらゆらと動く黒くて長い触角を頼りに見つけます。見つけてもピントを合わせている間にぴょんとはねてどこか行ってしまうことがほとんどです。じっとしていてくれることもありますが、この場合動画撮影には向きません。動かないときは静止画と同じように全く動かず、動くときは目にもとまらぬ速さで画面から飛び出してしまうのです。そのようなこともあって、まあいいかと思えるような撮影が終わるまでに30分ならいいほうで、1時間以上かかってしまうことがほとんどです。今の時期は動植物の世話と撮影・作物の栽培・庭の手入れなどにとても忙しい毎日となりますが、充実した1日が続けていられることに満足すべきだと思っています。

さて今回は、花の盛りの時期は過ぎましたが、種につく綿毛が目立つようになったオオジシバリが育つようすを紹介します。