vol.26 - No.14 (2024年10月15日)
今年、庭のヒガンバナは9月20日を過ぎてやっと花芽が地上に顔を出しました。1輪目が開いたのは、9月も終わる27日でした。2000年以降に撮影したヒガンバナの写真を確認したところ、開いた花の写真で撮影日が一番早かったのは2017年9月11日のものでした。半月ほどのずれがあります。各地のヒガンバナ開花の知らせも、今年は例年より遅かった所がほとんどです。夏の暑さが収まらず、ヒガンバナも秋の気配を感じることができなかったのでしょう。もし、遅れることなく例年通り花芽をのばしてしまったら、どのようなことが起こっていたのか分かりませんが、種から育つ秋まきの野菜たちには色々な不都合が生じています。発芽の時の問題としては、種が腐ってしまったり、芽が出たとしても暑さ(日差しの強さ)に負けてしまったりということがあります。発芽して育ち始めたとしても、葉が大きくなればなるほど蒸散作用により葉から出ていく水分が多くなり、日照りによって土が乾いてしまうと、根から水分を十分吸収できずに枯れてしまいます。暑さが収まってから発芽させて育てたとしても、寒さが厳しくなる前までに必要な大きさに育つことができず、よい収穫にならないことも多々あります。そうしたことから、小さなビニールの植木鉢に種をまいて発芽させ、日光の当たり方を調節しながら苗を十分な大きさまで育ててから畑に植えるなど、できるだけのことをしています。手間をかければ何とかなりますが、農業を本業にしている方にとっては、手間のかかりすぎは収益の低下につながり死活問題です。平年とほぼ同じ気候となり、今までの栽培経験が活かせる1年になるよう誰しもが願っていると思いますが、年ごとにそれが難しくなっている気がします。地球に生きる生き物たちは、徐々に変化する環境には進化という形である程度順応してきました。しかし、最近のような急激な変化に対しては、進化による対応はできないでしょう。恐竜が絶滅したこと、地球の歴史を1年とすると人類の歴史は数秒でしかないと言われていることなど、さまざまなことが頭をよぎります。
さて今回は、サトクダマキモドキの2回目です。4齢幼虫が成虫になるまでの姿です。