vol.26 - No.12 (2024年9月15日)
畑のバッタのほとんどが成虫になりました。私の子供のころはバッタといえばトノサマバッタでしたが、今はめったに見ることがありません。畑にたくさんいるのは、似た姿のクルマバッタとクルマバッタモドキです。童話に登場するキリギリスも、家の周りでは全く見かけなくなりました。見かけるのは、藪のキリギリスのヤブキリです。また、夜うるさいほど鳴いていたウマオイやクツワムシも今は全く見かけません。その代わりに子どものころには見た記憶のない、サトクダマキモドキというクツワムシに似た姿の昆虫に出会うようになりました。鳴く虫の季節になりましたが、「虫の声」という歌に出てくるマツムシやスズムシ、ルルルルルと鳴く(実際には羽をこする合わせて音を出す)カンタン、フィリリリリと鳴くクサヒバリなど、美しい鳴き声の昆虫も、全くといっていいほど私の住む地域には生息していません。ですが、うるさく感じてしまうほど甲高い声でリーリーリーと鳴き続けるアオマツムシは、サクラの葉が好きなので都会にもたくさんいて、身近なところでもよく鳴いています。しかし、都会の雑音に紛れてしまうことが多く、ほとんどの人はその存在に気づかないようです。そのような鳴く虫の中で、昔も今も鳴き声を聞くことができるのは、畑でも一番多く見かけるエンマコオロギです。コロコロリーと表現されるかわいい音を出します。これからも変わらず公園や畑で鳴き続けてほしいものです。
さて今回は、鳴き声はよいとは言えないのですが、秋の虫の中からサトクダマキモドキを紹介します。今回と次回(来月)の2回に分けて育つようすを紹介します。