vol.26 - No.8 (2024年7月15日)

春はまず、成虫で越冬していたテントウムシが卵を産み、その卵がすぐに孵化して子どもが育ち始めます。次に蛹で冬越ししていたモンシロチョウなどのチョウの仲間が成虫になって卵を産み、卵が孵化して幼虫が育ち始めます。その後は土の中などに卵を産んだバッタなどの幼虫が生まれ、野原や林は小さな虫たちでにぎやかになります。とは言っても、ふつうは肉食昆虫や鳥などに見つからないようにひっそりと隠れて育つので、目に見えてにぎやかということはありません。しかし、6月に入りバッタの仲間の孵化がピークを過ぎると、子どもたちの存在を確認することが容易になり、にぎやかという言葉がうなずけるような状態になります。除草が追いつかない畑のまわりではおびただしい数のバッタが育っていて、歩くたびにたくさんのバッタが飛び跳ねます。とても小さなヒシバッタやマダラスズの子ども。緑色や茶色のオンブバッタやショウリョウバッタ。育ち方にばらつきのあるクルマバッタやエンマコオロギ。よく探せばショウリョウバッタモドキやヒナバッタもいるでしょう。ほとんどのバッタは単子葉植物であるイネ科の仲間の葉を食べるので、畑で育てている野菜が被害にあうことはありません。そのため、小さなバッタたちがそこらじゅうで跳ね回っていても不快ではありません。しかし、オンブバッタは別です。オンブバッタは育てている大葉(アオジソ)の葉を穴だらけにしてしまいす。端から残さず食べるというのであれば許してもと思うのですが、あちこち少しずつ食べてたくさんの葉を穴だらけにしてしまいます。知恵のある人間同士ですら難しい共存を、虫たちに求めるのは無理な話でしょう。

さて今回は、キマダラカメムシの2回目です。育つ順序が少し前後しますが、脱皮して幼虫が2齢になるようすから成虫になるまでの紹介です。