vol.25 - No.16 (2023年11月15日)

40年近く前から交流のある、コンピュータを教育に利用する研究を中心に集まる研究会仲間がいます。今はほとんどの会員が、子供と直接触れ合う機会が減ったため、コンピュータを用いた教育実践から遠ざかりつつあります。そのような中、何人もの仲間が、私のように自然に目を向ける時間を多くするようになりました。こうした仲間の目が増えたことで、結果的に私にも生き物に関する情報がたくさん届くようになりました。先日も、庭のタイワンホトトギスにルリタテハが卵を産み、それが育って今さなぎになっているという情報が入ってきました。続いて、ムラサキツバメ(本来は近畿地方以西の本州・四国・九州に分布する)が、埼玉でも育っているようだということも伝わってきました。ツマグロヒョウモンが横浜でも普通に繁殖していることを確認して以来、今まで見ることのなかった目新しい生き物を何種類も確認しています。今年はたくさん見かけたキマダラカメムシ、ふつうに見られるようになったモンキアゲハやナガサキアゲハ。植物も同様です。高速道路わきにたくさん生えているタカサゴユリなど。また、世界中の人や物があちこち移動することにより、外来生物も渡来して繁殖しています。温暖化の影響だけではありません。さまざまな要因で、新しく目にする生き物が急激に増えているように感じます。生き物の分布は、少しずつゆっくり時間をかけて、長い歴史の中で変わっていくのが本来の姿だと思っていました。自分の一生の中で、これほどまでに生き物の生態や分布が変化するようす見ることになるとは思ってもいませんでした。

さて今回は、今年は異常発生をしていると言われているカメムシですが、その中からクサギカメムシが育つようすを紹介します。今回と来月の2回に分けての紹介です。