vol.25 - No.15 (2023年11月1日)

ちょっとした知り合いが大変悲しい出来事に出会ってしまったことが原因で、クリの実を収穫して食べることになりました。クリの木の所に行ってみると、木の下にはたくさんのイガ(毬)が落ちていました。落ちたクリの実は、放っておけば、モモノゴマダラメイガやクリシギゾウムシなどに卵を産み付けられその幼虫の餌になったり、獣に食べられたり、また人に拾われたりします。しかし、よく見ると、口の空いたイガの中にはどれも実が入っていません。このようすからは、実が虫の餌になってしまったのでははないかという心配はあてはまりません。人に持っていかれたのだろうかと思いイガを調べてみたところ、数個に実が残っていて、その実には傷がついていました。どの実も半分以上イガに包まれ、一部だけが見えている状態です。見える部分につく傷は、獣にかじられた跡のようでした。畑のラッカセイを食べたものと同じような獣に狙われたと考えると、枝にまだ残る実も地上に落ちたら食べられてしまうでしょう。落ちたクリの実を収穫することは難しいなと思いました。そこで、口の開かない実も含め、枝につくすべての実を高枝ばさみで切り取ってイガごと収穫しました。口が開いていない実も、乾燥させたら開いて中の実が取り出せるだろうと考え、10日ほど乾かしておきました。しかし、クリは考え通りにはなりませんでした。乾いたイガはカチカチになり、中の実を取り出すことに予想外の労力が必要になってしまいました。せっかくの実を無駄にしないようにと大変な思いをしてイガの中からクリの実を取り出しながら、クリを使って作られたケーキやお菓子が高価なのも仕方のないことだなと思いました。また、大昔の人が食べ物を手に入れるために1日の大半を費やしていたことなどを思い、十分な食べ物をたやすく手に入れられるようになった時代に生まれて幸せだなと感じました。しかし、それと同時に、そんな知恵と力を持った現代の人々の中にも食べ物が得られず飢えて死んでしまう人がたくさんいることを思い、悲しい気持ちにもなってしまいました。

さて今回は、アカメガシワが育つようすを紹介します。春に芽を出して育ち始めた苗木が大きくなり、あちこちで目にとまるようになったので、2回に分けて詳しく紹介することにしました。