vol.25 - No.05 (2023年6月1日)

5月も中旬に近づき、春に産卵したクビキリギスの幼虫が次々と孵化しました。これまたとても小さな幼虫で、ウスイロササキリほどではないのですが、ぴょんぴょん飛び跳ねます。体は薄い緑色で、スズメノカタビラなどの植物の葉に溶け込み、長い触角を開くようにしていないと見つけ出すのがとても大変です。「おおきくなあれ」で紹介する動物を用意するために、失敗も考慮して色々と育てているのですが、今年は思いがけずみな順調に成長し、今は飼育と撮影に追われています。植物は動物に比べ扱いと撮影が容易なため数カ月先の分まで用意できているのですが、動物の紹介となると撮りためたものが少ないため、余裕ができるようにとあれこれ育て始めてしまうのです。春から初夏にかけて動植物は大きく変化します。その変化を撮影したり庭の手入れをしたりするだけでも時間がかかるのに、それに加えて、あれこれと動物まで育てるとなると、毎日やることが多くなりすぎて天手古舞です。この先、まだ孵化していないコバネイナゴやエンマコオロギが孵化し始めると、10種類もの昆虫を相手にすることになり、更に費やす時間が増えてしまいます。とは言っても、世話にそれほどの時間はかかるわけではありません。また、撮影にもこだわりを持たなければさほど時間はかかりません。しかし、脱皮の瞬間、孵化や蛹化、羽化の瞬間を撮影したいとなると、1日のほとんどを費やすことになってしまいます。ビデオカメラで録画しっぱなしなどということもするのですが、そのまま放っておくと画面からはみ出してしまうことも多々あり、気に入ったように撮影できていることは稀です。運が良ければ撮影できる、といった思いで気楽に取り組めばよいのですが、ついつい自分を追い込んでしまいます。ゆったりとした気持ちで過ごしたい気持ちはあるのですが、そんな慌ただしい5月を過ごしています。

さて今回は、5月の中頃から7月にかけて花を咲かせるキンシバイが育つようすを紹介します。