vol.25 - No.03 (2023年5月1日)

春本番の4月は、ウメの実がふくらみ、ミカンやハッサクなどの柑橘類の木々やカキが新しい枝をのばすのと同時に、つぼみが次々と顔を出すようになります。ブルーベリーの花は満開となり、ぶどうは新しいつるをのばし始めます。秋の実りが楽しみです。木々も草花も日に日に姿を変えるので、その変化を確認しながら撮影をするのに多くの時間がかかります。全てを確認し撮影をしなければならないわけではないのですが、天気の良い日は時間をかけて見て回ります。庭での撮影以外にもあれこれすることがあって、時間を持て余すといったことのない毎日ですが、以前のように期限の定められた仕事、必ず行わなければならない仕事が少なくなったこともあり、ゆったりと眺めてしまうことが多くなりました。時間が取れなかったころには行わなかったのですが、結実したウメの実を数えることや池で泳ぐメダカの数を数えることなどを、今では何度も行ってしまいます。そんなたわいもないことをしているときは、なぜかゆったりとした心地よい気持ちになれるのです。ウメは葉がしげるようになって実の数を数えることは難しくなりましたが、池の水が温むにしたがってメダカは水面近くを泳ぐことが多くなりました。餌を与えると池の底近くにいたものもみな上がってきます。春先にはちょっと手を動しただけでもパッと水草の下などに隠れてしまったメダカでしたが、何度も餌をあげながら数えているうちに、手の動きに反応はするものの、底のほうに逃げ込んだり水草の陰に隠れたりはしなくなりました。メダカたちにも気持ちをつなげることができたような思いになり、庭のあちこちを眺めながら心地よく過ごす時間が増えた春の日々です。

さて今回は、前回に引き続いてロマネスコの2回目です。食べごろを過ぎた花蕾ががらりと姿を変え、花を咲かせて実をつけるまでのようすを紹介します。