vol.24 - No.22 (2023年2月15日)

昨年8月に紀伊半島の勝浦でコオロギを採集したという話を以前しましたが、その時のコオロギは今も部屋の飼育ケースの中で育っています。目と目をつなぐような白い線がある小さなコオロギで、羽のもようや大きさ、冬でも生き続けていることなどから、タンボコオロギまたはヒメコガタコオロギのどちらかと思われます。鳴き声からはヒメコガタコオロギ、分布を考えるとタンボコオロギとなり判断に困っています。ヒメコガタコオロギは南の地方のコオロギで、沖縄周辺の暖かい地方に住み、紀伊半島での生息は確認されていません。そのため、今はタンボコオロギとして飼育しています。このコオロギは、今まで育てたことのあるコオロギとはさまざまな点で異なります。その1つは、以前話をした、卵は冬の寒さを経験しなくても孵化するということです。飼育ケースの中には9月以降にも孵化した個体がいるようで、3齢4齢といった小さな幼虫から、終齢や成虫といった大きな個体まで色々な成長段階の個体がいます。12月上旬までは庭に置かれた飼育ケースの中で過ごしていたのですが、寒さで死なせてはと思い、今は15度以下にはならない室内用温室の中で生活しています。そのような中、今年に入って気がついたのですが、なんと、目を凝らして注意深く見ないと発見できないような、孵化直後と思われる個体がいたのです。食が細いコオロギという点は、餌のキュウリやナスが手に入りにくい時期なので幸いしますが、それでもリンゴの芯などを与えながらの飼育には手間がかかります。春になったら庭で自由に生きてもらおうと思っているのですが、もしヒメコガタコオロギだったとしたら生態系に悪影響を与えるので、慎重に対応しなければなりません。

さて今回は、公園で見かける野鳥の4回目として、見つけるのがやや難しい鳥4種と、見かけることが多くなった外来種2種を紹介します。