vol.24 - No.06 (2022年6月15日)

最近、コンピュータを教育活動に利用することを中心に色々な活動をしてきた研究会の仲間が2人、相次いで動植物の撮影を熱心に行うようになりました。そのような中、見かけることのほとんどない昆虫を撮影して名前が分からず、つい新種の発見などと口走るのを耳ににすることがありました。しかし、それはただ名前を知らないだけのことで、新種であることはほとんど0に近いというのが現実です。そんなとき「名前を知らないだけだよ。」と言っていた私ですが、あるとき背中が真っ黒で顔と腹側が赤に近い朱色のテントウムシを見つけて、これは星のもようがつかずに生まれたナミテントウの突然変異かなどと思ってしまったことがあります。よく調べてみると、原産地が台湾・中国南部・東南アジアの外来種、ムネアカオオクロテントウでした。最近、子どものころには見かけることのなかった昆虫や植物をよく見かけるようになりました。昆虫では、アカボシゴマダラ・ヨツモンカメノコハムシ・ヨコヅナサシガメ。植物では、ナガミノヒナゲシ・ユウゲショウや前回紹介したアメリカスミレサイシンなど。外国から持ち込まれたり温暖化のため分布を北に広げたりして、今まで見かけることのなかった動植物が多くなったのです。特に昆虫は、私たちには気づかれることなく侵入してきたものが数多く存在します。今までいなかった生き物が繁殖するようになることで、そこで生活していた生き物が追い出されてしまうことに、私は何の手を打つことができないでいます。在来種の生存を脅かす生き物、生態系に大きな変化をもたらす生き物などの存在に心配は尽きません。高度な知能と技術を身につけた人間ですら、私たち仲間の間で多くの問題を抱えています。そんな今の世界を考えると、何十億年という歴史を持つ地球にとっては、それも想定内のことと考えるべきなのでしょうか。

さて今回は、ナナホシテントウの4回目です。前蛹が脱皮をして、蛹になるようすの紹介です。