vol.24 - No.05 (2022年6月1日)

春から初夏にかけてはさまざまな草木が花を咲かせ種を作ります。種を作るにはふつう受粉することが必要で、その仕方は植物によってさまざまです。必要なことは花粉がめしべの柱頭につくことで、花粉の運ばれ方は大きく分けて4種類です。よく知られているのは昆虫に運んでもらう方法です。この方法で受粉する植物は虫媒花と呼ばれています。風の力を借りて受粉する植物もあります。風媒花と呼ばれます。スギやヒノキがたくさんの花粉を飛ばすため、アレルギー症状を起こすことで知られています。あとの2つはあまり知られていませんが、鳥によって花粉が運ばれる鳥媒花と水によって運ばれる水媒花があります。このような花粉の運ばれ方によって区別する方法のほかに、自家受粉・他花受粉や雌雄同株・雌雄異株といった言葉があり、特殊なものも加わって受粉の条件や方法は植物によってさまざまです。前回の話の中に登場させたキウイは雌雄異株と呼ばれる仲間で、メスの木のそばにオスの木がないと実ができません。実のもとになる子房を持つ雌花のめしべに、花粉を作るおしべを持つ雄花の花粉がつかないと実は大きく成長しないのです。そこで問題になるのは、雌花と雄花がずれて咲いたのでは受粉することができないということです。実際、我が家の庭のキウイは雌花より先に雄花が咲き始め、最後の雌花が開くころには雄花はすべて散ってしまっていました。ただ、雌花がたくさん咲いたので、全てが結実しなくても実はたくさん収穫ができそうです。昨年たくさん結実して実がみな大きくなったハッサクのことを考えると、摘果の作業をしなくてすむので、かえって幸いなのかもしれません。

さて今回は、外来植物のアメリカスミレサイシンが育つようすを紹介します。最近では公園や道端などでよく見かけるようになり、我が家の庭にも勝手に生えて花を咲かせています。