vol.23 - No.21 (2022年2月1日)

1月13日のNHK「おはよう日本」おはBizのコーナーの中で、EVシフトのジレンマと題して電気自動車にかかわる内容のニュースが放送されました。インドネシアは自国が埋蔵するニッケルを生かしてバッテリーの生産能力を拡大しようとしているのですが、ニッケルの加工には多量の電力が必要で、その電気を作るために多くの二酸化炭素が排出されてしまうといった内容です。電気で動く自動車などは、動くときには二酸化炭素が排出されないとは言っても、エネルギーの電気を作るときにはまだ多くの場合二酸化炭素が排出されます。火力中心の発電を行っている以上簡単にクリーンなものとは言えないと、私はずっと以前から思っていました。インドネシアでは今、電力の6割が石炭火力によって作られているとも報じられています。日本も東日本大震災以降、火力による発電がぐんと増えたと認識しています。再生可能エネルギーといった表現で二酸化炭素を排出しない電力作りに力を注いでいますが、二酸化炭素の排出をぐんと抑えるには時間がかかりそうです。電気を作るときに二酸化炭素を全く排出しなくなる、もしくは排出された二酸化炭素のすべてが回収されて処理されない限り、電気自動車がクリーンだとは言えないと思うのです。社会の流れは、人権侵害によって作られた製品に対し厳しい目が注がれるなど、よい方向に向かっています。その中で、ことさらクリーンを強調する電気自動車に対する世界の流れには、もやもやした気持ちがぬぐえません。

さて今回は、今、厳しいしい寒さの中でじっと耐えている高山植物の、最も美しいときの姿を紹介します。