vol.23 - No.17 (2021年12月1日)

庭のホトトギスを食べていた5匹の4齢幼虫のうち2匹が蛹になった話の続きをします。残りの3匹がどうなったかの話です。ほぼ同じ大きさに育っていた4齢幼虫だったので、2日ほどのずれはありましたが、みな無事に5齢(終齢)幼虫になりました。ですが、そのうちの3匹は蛹になることはできませんでした。3匹とも、前蛹にはなったものの、それそれが決めた場所でじっとしているばかりで、いつまでたっても尻のかぎ爪でぶら下がろうとしません。そのまま1日2日と日がたつと、今度は体を円くするようになりました。尻のがぎ爪をかけるところを作る作業をするのかとも思いましたが、糸をはくこともなく円くなったままです。もしかしてという考えが頭をよぎりましたが、5匹のうち3匹もだなんてとも思いました。1か所にじっとするようになって3日目、頭をよぎったことが現実となりました。前蛹の体の中から俗にいう「うじ」(寄生バチの終齢幼虫)がぞろぞろとはい出してきたのです。そして、うごめきながら糸をはき出し、その糸で体を包み始め、2時間ほどで白いまゆとなり幼虫の姿は見えなくなりました。ルリタテハの前蛹は、うごめきはするものの、まゆを抱えてその場から動けずじっとしています。その後10日ほど経つと、白いまゆに小さな穴が開き、寄生バチの成虫が出てきました。調べてみるとアオムシサムライコマユバチであることが分かりました。5匹のうち3匹もが寄生バチの犠牲になっていたことも予想外でしたが、まゆからハチの成虫が出てきた後も前蛹が生きていたことにはとても驚かされました。

さて今回から2回に分けてキリの木が育つようすを紹介します。贈り物が多くなるこの時期、高級なお菓子などを入れる箱の材料としてよく使われています。