vol.21 - No.16 (2019年11月15日)

台風15号と19号はとてつもない大雨を降らせ、洪水による甚大な被害をもたらしました。ニュースでもたくさん報じられました。ですが、高台に住む私には、雨より風の被害の方が身近に感じられました。公園などを歩いているときに、風による倒木の被害をたくさん目にしたからです。幹が途中から折れた木、根元が浮き上がって倒れた木、すでに切り倒されて1mほどに刻まれた大木など、あちらこちらにそうした木がたくさんありました。こうした倒木やその残骸を、今まで目にしたことがなかったわけではありません。老木が倒れたその後に新しい若木が育つ。朽ちる老木を餌にしてさまざまな生き物が育つ。このようなことは自然のあたりまえの流れです。それが限度を超さなければということなのですが、最近の災害はどれも度を越しているように思われます。地球の生き物たちがどこまで対応していけるのだろうかと心配になります。公園の林の中に、1m前後に切られて無造作に置かれた倒木。その朽ち始めた倒木の下で、大きく成長したカブトムシの終齢幼虫を見つけました。立派に成長していることをうれしく思いながら、色々なことが頭の中をめぐりました。

さて今回は、いつもの成長するようすとは異なりますが、天敵から身を守るための工夫の1つ、擬態をする昆虫を紹介します。