vol.21 - No.07 (2019年7月1日)

6月も半ばを過ぎたので、冬から育てていた野菜などの作物の種とりをしながら庭のかたずけをしました。初夏から秋にかけて育つ植物に場所を引き渡す必要があったからです。梅雨の時期なので、数日間雨が降らなそうなときを選んで作業をします。まず、種のついた穂やさやなどを摘み取り、トレイに入れて乾かします。そして、種を一握りほど集めて袋に入れ、翌年のために保存します。毎年保存しているのですが、実際には、保存した種が使われることはほとんどありません。今年も、冬から春の花をかたずける前から、枯れ始めた植物のすき間でホウセンカ・アサガオ・シソ・オキナワスズメウリなどが芽を出し、それだけで十分な数の苗を得ることができました。それでも芽を出さなかったらと、念のため今年も種を集めました。野菜も花も、自分たちの都合ばかりを優先させて栽培するのではなく、育てる植物の一生とつき合う接し方をすれば、それに応えてくれます。毎年芽を出して育ち私たちを楽しませてくれます。植物ばかりでなく、人や動物に対しても、自分にとって都合のよい接し方をしていると、うまくいかないことが多いのではないでしょうか。昔の人たちは、それが分かっていたように思われます。ところが、科学の発達などで知恵が増しているはずの現代では、それがわからなくなってしまった人が増えているような気がします。

さて今回は、我が家の庭で6月中旬から花を咲かせはじめた、テッポウユリが育つようすを紹介します。