vol.20 - No.14 (2018年10月15日)
随筆家の寺田寅彦が言ったとされる「災害は忘れたころにやってくる。」ですが、今は、「天災は忘れる間もなくやってくる。」という言葉のほうが的を得ているような災害の多発する世界となってしまいました。大きな被害を出した台風24号が日本列島を通過したと思ったのもつかの間、一週間後には台風25号がやってきて、安心していられない日々が続きました。だからといって毎日の暮らしを投げ出して逃げ出すわけにはいきません。台風24号が通過した後の片付けや修復をしながら色々なことを考えました。最悪を想定して準備をし、被害を最小限にする対策をするしかないのですがが、思いもよらないことがいろいろと起こるので、こんな準備をすれば安心といったものがありません。台風24号は私の住む横浜にも、塩害という大きな被害をもたらしました。電柱の送電設備が火花を散らし燃えるという事態は、ニュースで何度も報じられました。それも驚くべきことですが、私は、野山や公園の木々、街路樹、庭木の多くが、葉のふちを茶色にしたり葉を落としたりしているのを見て、塩害による被害を痛感しました。今年はモミジなどのきれいな紅葉は期待できないでしょう。サクラも葉が枯れ、多くの葉は落ちてしまっています。落葉樹の多くが被害を受けて痛々しい姿をしています。早めに葉を落としただけで春にはまたきれいな新緑を見せてくれる。そんな強さが、植物たちにあってほしいと思わずにはいられません。
さて今回は、ウラギンシジミが育つようすを2回に分けて紹介します。まずは卵や幼虫の紹介です。